2020 Fiscal Year Research-status Report
The pathomechanism of joint destruction in subchondral insufficiency fracture
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19K09635
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山本 卓明 福岡大学, 医学部, 教授 (20336035)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脆弱性骨折 / 膝関節 / 肩関節 / 股関節 / 関節破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、膝関節において、大腿骨内側顆の軟骨下脆弱性骨折と診断された症例のうち、発症後早期の症例に限定して解析を行った。対象は、造影MRIおよび生検が可能であり、発症後4カ月以内の4症例で、全例について臨床病理学的検討と造影MRIによる画像解析を加えた。摘出した生検標本はホルマリン固定・脱灰の後、H.E染色を行った。SIFの病理診断は、これまでの報告に基づき、骨折線とその周囲に仮骨・肉芽組織が認められるものとした。 今回検討した4例全例において、MRI上、bone marrow lesion (BML)が大腿骨内側顆部に認められ、さらに造影MRIでは、同部は全例造影されていた。レントゲン上、発症後2カ月以内に大腿骨内側顆部は圧潰変形を来していた。病理組織学的には、骨折像に加え、骨軟骨破壊産物を含む肉芽腫性病変を全例に認め、さらに関節軟骨の破砕片も骨髄内に認められた。BMLの病理組織像は、骨折に伴って発生した骨髄内浮腫、うっ血像、新生血管などを認めた。さらに、MRI上のバンド像に該当する部位には、病理組織学貴には、肥厚した骨梁を認め、一部は骨折に対する仮骨形成など修復反応を呈する症例もあった(2例)。関節軟骨は荷重部を中心に非薄化していたが、それ以外の部位では保たれておりchondrolysisの所見は認めなかった。 また、昨年に引き続いて股関節、肩関節の症例収集も継続して行った。 さらに、股関節の脆弱性骨折の発生メカニズムについて、有限要素法を用いた検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに股関節および肩関節の症例収集を行い、その臨床病理学的検索と画像解析を行っており、平成2年度は、これまでに加えて、膝関節における症例収集と造影MRI解析も行うことができた。 以上より、各関節における症例解析も順調に経過しており、おおむね計画通りと考えらえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究内容をさらに発展させるため、股関節、肩関節、膝関節の症例の収集を継続する。 併せて、特に股関節における骨脆弱性の指標として、有限要素解析による軟骨下脆弱性骨折発生に関するアプローチも導入し、関節破壊のメカニズムの多角的解析を継続する。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナ感染拡大のため、予定していた学会出張が当初より少なくなったため (使用計画)最終年度であり、WEB開催の学会への参加を含めて、研究成果の啓発に努める。 併せて、画像解析、病理解析を進めることで予定通リ執行可能と考える。
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Research Products
(5 results)