2021 Fiscal Year Annual Research Report
The pathomechanism of joint destruction in subchondral insufficiency fracture
Project/Area Number |
19K09635
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山本 卓明 福岡大学, 医学部, 教授 (20336035)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脆弱性骨折 / 股関節 / 肩関節 / 関節破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
股関節については、人工股関節置換術を施行され、病理組織学的にSIFと診断された症例のうち、発症直後と手術直前の経時的レントゲン変化の検討が可能であった大腿骨頭を対象とし、肩関節については、当科においてSIFと診断され、急速な関節破壊を呈した症例を対象とした。膝関節については、大腿骨内側顆の軟骨下脆弱性骨折と診断された症例のうち、発症後早期の症例で、造影MRIおよび生検が可能な症例を対象とした。SIFの病理診断は、骨折線とその周囲に仮骨・肉芽組織が認められるものとした。 股関節では、発症後6カ月以内に骨頭外側を中心に圧潰変形を来していた。発症から手術までの期間は、1-9ヵ月(平均5.6ヵ月)、関節裂隙は0.4-2.0 mm/month(平均0.7mm/month)の速さで急速に狭小化していた。病理組織学的には、骨折像に加え、骨軟骨破壊産物を含む肉芽腫性病変を全例に認めた。肩関節も股関節と同様の臨床経過であり、急速な関節裂隙の狭小化を伴いながら骨頭とともに関節窩にも破壊が生じており、わずか2ヵ月間で関節破壊が急速に進行していた。膝関節では、MRI上認めらるbone marrow lesion (BML)が大腿骨内側顆部に認められ、さらに同部は造影MRIでは、造影されていた。レントゲン所見では、発症後2カ月以内に大腿骨内側顆部は圧潰変形を来していた。病理組織学的には、骨折像に加え、骨軟骨破壊産物を含む肉芽腫性病変を全例に認め、さらに関節軟骨の破砕片も骨髄内に認められた。BMLの病理組織像は、骨折に伴って発生した骨髄内浮腫、うっ血像、新生血管などを反映していることが分かった。さらに、MRI上のバンド像に該当する部位には、病理組織学的には、肥厚した骨梁を認め、一部は骨折に対する仮骨形成など修復反応を呈する症例もあった。
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Research Products
(5 results)