2021 Fiscal Year Annual Research Report
Role of Poldip2 in Frailty and Sarcopenia Related Condition
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19K09644
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 再生医療研究センター, 非常勤講師 (50231725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江面 陽一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (50333456)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Poldip2 / ROS / 骨細胞 / フレイル / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
高年齢化の進行により各臓器の退行変性が生じるが特に筋肉と骨格を含む運動器においてはその変化はフレイル・サルコぺニア(FS)として本来身体の持つ動く機能のみならずこれと連動する代謝ならびに神経機能等に関わる点で重要である。筋力の低下は体幹の支持機能の不安定性により大腿骨近位端骨折および脊椎椎体骨折に代表される身体の主要な骨格の破綻を引き起こすとともにその結果として高齢者の生命予後を悪化させる。従ってFSの状態からの可及的な回避をすすめ可能な限り改善を目指すことが高齢化社会における健康寿命の延伸の上で鍵となる。筋肉組織並びに骨格組織における老化では他の臓器と同様に活性酸素(ROS)のレベルが正ならびに負の制御機構により統御される中で加齢によりそのバランスが正の方向に傾く。その結果として細胞内の生命維持に関わる主要な分子群の機能不全をもたらしその細胞が存在する組織と臓器のレベルの疾患に至る。この活性酸素の正と負のバランスのうち産生を促進する側の酵素のなかでNOX4は新たな分子のPoldip2による促進性の刺激を受ける。FSの主たる臓器は筋肉ならびに骨格でありヒトの歩行を基盤とする運動と荷重は生命活動の基盤となる代謝系・神経系を含めすべての臓器とのネットワークの基盤でありかつ生命活動の中核である故にFSは全身の代謝、神経制御を含む身体制御に対して負に影響する。この歩行のシグナルを受けるのは骨であり骨の細胞が受ける歩行時の力学的なシグナルは細胞の存在する骨の微小なたわみを細胞の持つ細胞骨格が骨の微小環境における体液流動や接着シグナルを感知して受け取るものでありFSはその細胞骨格へのシグナルおよびその環境の体液流動を低下させる。本研究ではROSの骨の細胞における新たな制御分子としてのPoldip2の制御ならびに上流下流の分子(Profilin1等)の意義を明らかにした。
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