2019 Fiscal Year Research-status Report
脊髄障害性疼痛におけるニューロン-グリア連関解明とニューロイメージング評価の確立
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19K09645
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中嶋 秀明 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (10397276)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経障害性疼痛 / PK11195 / 活性化ミクログリア / ttwマウス / キメラマウス / M1 / M2 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験動物にはC57BL/6Jマウスおよびttwマウスの骨髄をCAG-EGFPマウス骨髄におきかえたキメラマウスを用いた。前者はIH impactorにより第4頚髄圧挫損傷モデル(60kdyn)を作成し、損傷後経時的(4日目、7日目、14日目)に免疫染色、autoradiographyを行った。免疫染色では、TSPO発現評価のために、NeuN, CD11b, CC1, GFAPおよびGFPとの蛍光二重染色を行った。autoradiographyは、脊髄凍結標本に[³H]-PK11195(85.5 Ci/mmol)を浸透させ写真乳剤(サクラ NR-H2)を塗布し暗室に放置した。また、損傷部と腰膨大部におけるミクログリア、マクロファージの分布を評価した。 脊髄損傷モデルの二重免疫染色では、TSPOは活性型ミクログリア/マクロファージのマーカーであるCD11bとはmergeしたが、NeuN, CC1, GFAPとはmergeしなかった。骨髄由来細胞で陽性となるGFP陽性細胞とTSPOはほとんどmergeしなかった。これらの結果は、TSPOは主に活性型ミクログリアに発現することを示唆する。経時的な変化では、GFP陰性でTSPO陽性細胞数は4日を境に以後は漸減する結果となった。 autoradiographyでの[3H]-PK11195発現は、対比染色でH-E染色を行い、細胞内に黒色点状の集積が認められた細胞を陽性とし、脊髄損傷レベルの水平断の弱拡大において脊髄後角を中心として損傷後4日目をピークに強い発現がみられた。 両モデルにおいて、損傷(圧迫)部はM1 type マクロファージ有意、腰膨大部はM2 typeミクログリア有意の発現がみられ、これらが疼痛発現に関与している可能性が示唆された。 今後のPET imagingによる活性型ミクログリアの可視化の可能性が示される結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度がキメラマウスを作成し、損傷部(圧迫部)・腰膨大部のミクログリア・マクロファージの分布や、PK1195が活性化ミクログリアの可視化のためのリガンドとしての可能性を調査することが目的であった。概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で発現を確認したミクログリア・マクロファージ発現の分布と、疼痛発現物質発現の関与を調査し、ラットおよびヒトでのPK11195 PET imaging評価を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
補助事業の誠実な執行に努めた結果、当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。
当該未使用額を次年度に持ち越して追加の試薬・抗体・消耗品等購入する。
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Research Products
(3 results)