2019 Fiscal Year Research-status Report
大腿骨頭壊死症に対するmicroRNAを診断マーカーとした新たな診断法の確立
Project/Area Number |
19K09651
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
庄司 剛士 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座助教 (50736569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
中佐 智幸 広島大学, 病院(医), 講師 (60467769)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腿骨頭壊死症 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)患者における血清中、また組織液(関節液)において疾患特異的なmiRNAを同定することにより、本症に対するmiRNAを診断マーカーとした新たな、より効果的な診断法を確立することである。これらを明らかにするため、本研究では以下の3課題を実施する。 1)ONFH患者由来血清、股関節における関節液中の疾患特異的miRNAの同定 2)ONFHにおける疾患関連因子とmiRNAの関連との検討 3)血清、組織液におけるエクソソーム中のmiRNAの解析、ならびに組織、細胞分布の同定 2019年度では、ステロイド性骨壊死症と関連の強いmiRNAの発現プロファイルを解析するため、1-1. ONFH患者由来の血清、股関節における関節液中のmiRNA発現の網羅的解析(マイクロアレー)、また1-2. アレーデータより着目したmiRNAの発現解析の為、ONFH患者、また非ONFH患者における血清、また関節液中におけるreal time PCR法を用いたmiRNAの定量化を行った。1-1.ではステロイド薬(プレドニン換算≧15mg/日)の内服歴があるステロイド関連ONFH患者、また変形性股関節症患者から得られた血清、また関節液からRNAを精製し、マイクロアレー法を用いたmiRNAの網羅的発現解析を行った。このうち発現が促進、また抑制されている数種類のmiRNA(miR-17, miR-31, miR-34a, miR-193a, miR-210, miR-218)の発現に注目し、ステロイド関連ONFH患者, アルコール関連ONFH患者, 狭義の特発性ONFH患者、また変形性股関節症患者のそれぞれ血清、関節液を用いて各miRNA のreal time PCR法を用いた定量化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ONFH患者由来の大腿骨頭における骨髄でのmiRNAの発現プロファイルを解析、選別し、各miRNAのONFH患者、また非ONFH患者における血清、また関節液中におけるreal time PCR法を用いたmiRNAの定量化を行った。現在、同意が得られた患者の血清、関節液を用いて定量化を行っているが、検体の数が十分でないため有意な差が出るまでのデータが得られておらず、検体を収集し有用なmiRNAの解析を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行ったmiRNAの定量化を行った検体の数が十分でないため、有意な差が出るまでのデータが得られておらず、さらに検体数を増やすべく検討を行っている。また、併せて、現在までに行ったマイクロアレーによる網羅的解析に、患者による個体差が存在する可能性があるため、ONFH患者、また非ONFH患者の血清、また関節液を用いて再度網羅的解析を行い、これまでに得られた結果と合わせ、新たなmiRNAの候補を選択し定量化を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
これまで患者から同意が得られ収集できた検体数が十分でなく、microRNAの定量化を予定通り十分に行うことができなかったため次年度使用額が生じる結果となった。今後、本研究に参加頂けるよう、患者に対して本研究の主旨を十分に説明し、検体数を増やしていく予定である。
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