2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative immunovirotherapy facilitating anti-tumor immunity in bone and soft tissue tumors
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19K09653
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊地知 暢広 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80380624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90258418)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん免疫 / 免疫遺伝子ウイルス治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん特異的に増殖・殺傷するよう遺伝子改変した「腫瘍溶解性ウイルス」(OV)に、免疫誘導遺伝子を搭載して劇的な癌免疫誘導を可能とする「腫瘍溶解性免疫治療(がん免疫遺伝子・ウイルス治療)」は2015年末の欧米医薬承認のように、革新的な癌免疫治療の研究分野として世界的に期待されている。 本研究では、難治性がんの根治を目指し、Surv.m-CRAに腫瘍免疫に対する抑制を解除する「可溶型」免疫チェックポイント「遺伝子」や、免疫細胞の腫瘍浸潤を誘導するケモカイン「遺伝子」等を至適・癌特異的発現制御下に搭載した、革新的な免疫遺伝子・ウイルス治療法の開発を目的とする。これらウイルスは、腫瘍溶解性ウイルスによるがん抗原創出に加え、①腫瘍局所での至適高濃度かつ持続的な免疫チェックポイント阻害タンパク質の分泌によるがん免疫抑制阻害、あるいは、②免疫細胞の腫瘍浸潤が誘導、されることで、強力ながん免疫誘導の相乗的な増強をもたらす革新的な癌治療医薬となることが期待できる。 本年度は、至適かつ癌特的な発現をもたらす複数の恒常的あるいは組織・癌特異的プロモーター下流に、種々の免疫チェックポイント遺伝子やケモカイン遺伝子を組み入れたウイルスについて、シンジェニックハムスターモデルにおけるin vivo機能検証を行った。その結果、いずれのウイルスについても単独での腫瘍増殖抑制効果は弱い傾向であったものの、他の免疫活性化遺伝子搭載ウイルスとの併用により、治療効果が増強する傾向が得られた。一方、ウイルス投与による副作用は全期間を通じて観察されなかったことから、安全性が確認された。これらの成果は、難治性がんの根治に向け、異なる治療作用を有する複数の腫瘍溶解性ウイルスによる、コンビネーション免疫遺伝子・ウイルス治療開発の重要性を示唆するものであり、今後のさらなる開発へとつながることが期待される。
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Research Products
(1 results)