2020 Fiscal Year Research-status Report
Y染色体微小重複が男性不妊症に与える影響-Y染色体は微小欠失だけではない-
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19K09668
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
飯島 将司 金沢大学, 附属病院, 助教 (70749168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (10396864)
堀家 慎一 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (40448311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 男性不妊症 / Y染色体 / 日本人 / AZF |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度にY染色体遺伝子のコピー数の変化を求めるため、arrayCGHでの検出を予定しており、プローブの設計を試みた。しかし、Y染色体の特に長腕上には繰り返し配列が非常に多くカスタムプローブの設計は検出精度を保ちつつ実現することは困難であった。そこで、本年度においてはarrayCGHでの検出は断念し、MLPA(multiplex ligation-dependent probe amplification)法での検出を試みることとした。 男性不妊症の患者で過去にY染色体微小欠失の診断がすでになされている者の末梢血DNAを用いてMLPA法でY染色体の微小欠失・重複の確認を進めている。概ね過去に診断されたY染色体微小欠失の結果と一致するが、異なる結果であったり、従来法では欠失しか判断が出来なかったが、MLPA法では重複も診断できるため、重複の合併なども診断することができた。特に染色体核型検査でモザイクを認める症例(例えば45,X/46,X,del(Y)など)ではそのモザイクの割合によって、検出されるプローブのシグナルの比率も比例してくることが確認された。 また、欠失の種類によってはその結果が大きく異なるものもあった。AZFc部分欠失とされるb2/b3欠失に関しては従来法での診断と大きく異なっており、従来法ではstsマーカーであるsy1191単独でしか診断できなかったため、検出感度が低いことが予想された。日本人の約3分の1に認めるgr/gr欠失においても一部で異なるパターンが検出された。 これらのパターンのバリエーションが臨床的にどのような意味を持つかは更に検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
arrayCGHでの検出はできなかったが、コピー数の増減を検出する方法としてはMLPA法で十分な結果が得られていると考えている。解析に用いることが可能な検体数は当初の予定より少ないが、主要な欠失症例については解析が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
日本人に多く認めるgr/gr欠失に関しては検体数が十分にあるため、更に追加での検討が可能である。十分な検体数を解析し臨床的意義について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
array CGHを使用する予定であったが、MLPA法に解析方法を変更したため繰越額が生じた。 検査あたりの単価が下がった分、検査数を増やすことができるのでMLPA法で解析する数を増やす予定である。
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Research Products
(1 results)