2021 Fiscal Year Annual Research Report
The exploration of urinary biomarkers in patients with interstitial cystitis
Project/Area Number |
19K09669
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大塚 篤史 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (90362201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 膀胱痛症候群 / 診断 / バイオマーカー / 尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性膀胱炎/膀胱痛症候群の診断に特異的な尿中バイオマーカーは見出されていない。そこで、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群の患者と健常成人ボランティアから得られた尿を用いて、診断に有用な尿中バイオマーカーを探索した。 倫理委員会の承認のもと、患者と健常成人ボランティアから自然尿の提供を受け、これを試料として研究を実施した。 間質性膀胱炎の病因の一つとして、尿路上皮を覆うグリコサミノグリカン層の脱落が以前より指摘されている。そこで、女性間質性膀胱炎患者(21例)、女性膀胱痛症候群患者(21例)と健常女性成人ボランティア(39例)から得られた尿を用いて、尿中グリコサミノグリカン量を測定した。クレアチニン補正した尿中グリコサミノグリカン排泄量は三群間で有意な差を認めず、尿中バイオマーカーとしての有用性は見いだせなかった。 さらに、間質性膀胱炎患者の膀胱上皮においてアデノシン三リン酸(ATP)放出量が増加しているとの報告を参考に、女性間質性膀胱炎患者(22例)、女性膀胱痛症候群患者(9例)と健常女性成人ボランティア(37例)から得られた尿を用いて、尿中ATP量を測定した。クレアチニン補正した尿中ATP排泄量は三群間で有意な差を認めず、尿中バイオマーカーとしての有用性は見いだせなかった。 次いで、女性間質性膀胱炎患者/膀胱痛症候群患者と健常女性成人ボランティアから得られた尿を用いて、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)を実施し、間質性膀胱炎の診断に有用と期待される数種類の尿中バイオマーカーの同定を行い得た。このうち、計算された尤度比(感度/[1-特異度])から、バイオマーカーとして十分有用なものと判断される物質も確認できた。これらの物質名等の詳細は、諸般の事情により今は開示できない。知的財産権の取得を目指し、現在、更なる追加実験等を実施中である。
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