2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化マウスの泌尿器癌モデルを用いた膜結合型タンパクの機能解析と新規治療法の確立
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19K09674
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
向井 尚一郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10315369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀本 敏行 宮崎大学, 医学部, 教授 (00281098)
片岡 寛章 宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
藤井 将人 宮崎大学, 医学部, 助教 (10794373)
寺田 直樹 宮崎大学, 医学部, 講師 (60636637)
永井 崇敬 宮崎大学, 医学部, 医員 (60739994)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / 細胞膜結合型セリンプロテアーゼ / 細胞膜結合型セリンプロテアーゼ制御因子 / 腎細胞癌 / 細胞増殖能 / 細胞遊走能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト腎淡明細胞癌株である786‐O細胞にTET-on systemを用いたドキシサイクリン依存性HAI(肝細胞増殖因子アクチベーターインヒビター:膜結合型セリンプロテアーゼ制御因子)-2ノックダウンおよび強制発現株を作成した。これらの細胞株を用いて、細胞増殖アッセイを行ったところ、血清投与下でHAI-2ノックダウン株で増殖能が亢進、HAI-2強制発現株では増殖能が抑制された。さらに血清除去条件で、HGF(肝細胞増殖因子)前駆体を投与し、同実験を行ったところ、HAI-2ノックダウン株ではHGF依存性に増殖能の亢進が増幅され、強制発現株では血清投与時と同様に増殖能が抑制された。以上より、HAI-2は細胞増殖能、特に膜結合型セリンプロテアーゼの抑制によるHGF前駆体の活性化制御を通じてHGF依存性の腎細胞癌細胞の増殖能を制御している可能性が示唆された。 次に同じ細胞を用いて、細胞遊走能とマトリジェル浸潤能を解析した。その結果、HAI-2の抑制により、HGF依存性に遊走能および浸潤能が亢進し、逆にHAI-2の強制発現により遊走能と浸潤能が抑制された。 次にマウスの皮下および前腕骨に同細胞株を移植し、腫瘍サイズを経時的に測定し、最終的に摘出した標本を用いて浸潤の程度を組織学的に確認した。その結果、HAI-2ノックダウン株では腫瘍サイズの増大速度が速かった。また、一定の大きさに成長した時点で、ドキシサイクリンを投与しHAI-2の発現を亢進させると腫瘍サイズが縮小する傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進んでいるが、ヒトHGF産生能をもつhumanizedマウスの個体数が順調に増えず、やや苦慮している。飼育環境を細かく設定しながら現在ようやく実験に使用可能な数になってきており、今後本マウスを用いた実験を遂行していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ヒトHGF産生能をもつhumanizedマウスの骨髄に前述の腎癌細胞株を移植し、骨転移モデルを作成する。Doxycyclineの投与下でHAI-2の発現量をコントロールし、骨転移の形成能やTTSP、METのリン酸化など発現分子の変化を解析する。また、マトリプテースの強制発現株を用いて形成された骨転移に対して、HAIのインヒビタードメインタンパクの投与による治療効果を検証する。MET阻害剤との併用治療も計画している。 2.膀胱癌ではヒト高異型度膀胱癌細胞株を用いて、腎細胞癌同様にHAI強制発現またはノックダウン細胞株を作成する。膀胱癌細胞株の同所移植を行い、マウスモデルを作成する。HAI-2の発現調節による転移形成能を比較解析し、さらに形成された転移組織内の発現分子を解析し、転移巣の形成・維持に各分子がどのように寄与しているか検討する。また実験1と同様に、マトリプテースの強制発現株を用いた膀胱癌に対して、HAIのインヒビタードメインタンパクの投与による治療効果を検証する。MET阻害剤との併用治療も同様に行い検証する予定である。 3.脳転移モデルは、脳実質への直接注入もしくは頸動脈注入法を予定している。HAI-2の発現量をコントロールし、骨転移の形成能やTTSP、METのリン酸化など発現分子の変化を解析し、TTSP強制発現株が形成した脳転移に対して、HAIのインヒビタードメインタンパクの投与による治療効果を検証する。MET阻害剤との併用治療の効果も評価する
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