2019 Fiscal Year Research-status Report
ジデルペンによる前立腺癌進展制御機構の解明と新規化合物の開発
Project/Area Number |
19K09685
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
泉 浩二 金沢大学, 附属病院, 講師 (80646787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 享子 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50180245)
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性 / タキサン抵抗性 / コーヒー / ジテルペン |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模な疫学研究では、コーヒーは前立腺癌の進展を抑制することが報告されている。 しかし、これまでコーヒーの前立腺癌進展制御機構を明らかにした研究はほとんどない。当研究室では数あるコーヒー成分の中でカウェオールとカフェストールというジテルペンが前立腺癌細胞に対する強力な増殖・遊走抑制効果を持つことを発見した。本研究ではさらに研究を発展させ、ジテルペンの去勢抵抗性前立腺癌細胞、タキサン系抗癌剤抵抗性前立腺癌細胞への効果および作用機序を明らかにする。まず去勢抵抗性前立腺癌のモデルとして、アンドロゲン受容体の発現がないヒト前立腺癌細胞株PC-3およびDU145、さらにアンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞株LNCaPから樹立したアンドロゲン非依存性株LNCaP-SFを用い、ジテルペンによる増殖能・遊走能の変化を検討した。カウェオールとカフェストールは濃度依存的にいずれの細胞株に対しても増殖および遊走を抑制した。さらにこれらのジテルペンは相乗効果を有することを確認した。ウェスタンブロットにおいて、カウェオールとカフェストールがアポトーシスに関わる蛋白と上皮間葉移行に関わる蛋白の変化をもたらし、アポトーシスを促進し、上皮間葉移行を抑制することも確認した。カウェオールとカフェストールはアンドロゲン依存性前立腺癌のみならず、アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞に対しても活性を抑制する効果があることが明らかとなった。今後は去勢抵抗性タキサン系抗癌剤抵抗性前立腺癌に対し、その効果を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の予定を100%とした場合、60%程度と考えられる。去勢抵抗性前立腺癌に関しては新たなメカニズムを含めほぼ検証が終了しており、予定されていた実験の中では、大方の実験は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
去勢抵抗性タキサン系抗癌剤抵抗性前立腺癌におけるカウェオールとカフェストールの効果についてメカニズムを含むin vitroの実験とin vivoの実験を予定している。また、カウェオールとカフェストールに化学修飾を行いさらに強力な効果を持つ化合物を作成する。
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Research Products
(1 results)