2021 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー代謝を標的にした転移浸潤性膀胱癌に対する新規抗癌剤の開発
Project/Area Number |
19K09687
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
金 哲將 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10204968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 寛一 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30176440)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 上皮間葉転換 / βカテニン / クリプトタンシノン / ワールブルグ効果 / ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ4 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞では、好気的環境下でも解糖系によるエネルギー産生が優位となるグルコース代謝のスフト(ワールブルグ効果)が生じている。われわれは、解糖系の制御の標的としてピルビン酸からアセチルCoAへの反応を抑制して解糖系を更新するピルビン酸脱水素酵素キナーゼ4(PDK4)に着目した。新規PDK4阻害剤クリプトタンシノン(CPT)は、ヒト膀胱癌細胞株(T24, J82)で、三次元(3D)スフェロイド形成・細胞浸潤抑制作用を示す。また分子機構の解析ではβカテニン、上皮間葉転換(EMT)、mTOR、癌幹細胞性を抑制することを確認してきた。これらの結果をふまえ、いかなる経路を経て細胞浸潤抑制作用を示すかを、T24細胞に対してAkt、mTOR、Erk阻害剤を用いて検討を加えた。mTOR阻害剤では、Nカドヘリンとβカテニン抑制作用は確認できたが、AktとErk阻害剤ではNカドヘリン、βカテニン抑制作用は確認できず、mTOR経路がEMT抑制作用に関与していることが確認できた。siRNA実験では、Nカドヘリンがβカテニンの下流にあり、これらをまとめるとCPTがPDK4よ抑制することにより、PDK4→mTOR→βカテニン→Nカドヘリン→EMT→細胞浸潤の経路で、膀胱癌細胞癌の細胞浸潤能が抑制されることが確認できた。 アポトシスの関与を検討するため、T24、J82細胞をCPT 10~20μMで処理し、ウエスタンブロット法でcaspase-3の活性化、Caspase-Glo-3/7分析でcaspase-3/7の活性化を調べたが、アポトシスの関与は確認できなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Clinical, pathological, and therapeutic features of newly diagnosed prostate cancer predominantly detected by opportunistic PSA screening: A survey of Shiga Prefecture, Japan.2021
Author(s)
Okinaka Y, Kageyama S, Nishizawa K, Yoshida T, Ishitoya S, Shichiri Y, Kim CJ, Iwata T, Yokokawa R, Arai Y, Nishikawa Z, Soga H, Ushida H, Sakano Y, Naya Y, Yoshida T, Narita M, Kawauchi A
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Journal Title
Prostate
Volume: 81
Pages: 1172-1178
DOI
Peer Reviewed
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