2021 Fiscal Year Annual Research Report
尿中PKCαを標的とした新規尿路上皮がん診断システムの開発
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19K09692
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪口 淳一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10403924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 正治 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
姜 貞勲 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50423512)
今田 憲二郎 九州大学, 大学病院, 医員 (80735001) [Withdrawn]
河野 喬仁 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 特任講師 (90526831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 / 膀胱癌 / 上部尿路癌 / 腎盂尿管癌 / 尿中バイオマーカー / スクリーニング / PKCα |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路上皮癌に対する尿中バイオマーカーは、検査特異度が非常に高い尿細胞診以外はあまり利用されていないのが現状である。また、尿細胞診は特にLow grade腫瘍で感度が低いことが問題となっている。そこで、本研究では癌化の初期段階から発現が亢進するリン酸化酵素であるプロテインキナーゼCα(PKCα)に注目し、感度、特異度が高く、かつ簡便な尿路上皮癌に対する検査法の開発を目的とした。 まず、活性型PKCα特異的基質ペプチドを用いて、尿中活性型PKCαを質量分析法にて検出した。その結果、尿路上皮癌(UC)患者における感度は85.8%、high grade、low grade UCにおける感度はそれぞれ82.1%、87.5%であった。一方、他の泌尿器癌を含む非UC患者では、活性化されたPKCαはほとんど検出されず、非UC患者群の特異度は88.4%であった。以上より尿路上皮癌のバイオマーカーとしての有用性が示唆され、この知見を基に国内、国際特許申請を行った。 質量分析法による測定はコストがかかるため、より安価な検出法として抗リン酸化ペプチド抗体を作成し抗体反応を利用した検出方法開発を実施した。抗体は安定した検査精度を確立するため数種のモノクローナル抗体を設計し、その中で高い親和性と特異性を有する抗体作成に成功した。また、その抗リン酸化ペプチド抗体を用いた検出システムとして、電子センサを用いた検査システムを開発し、これまでに質量分析による基質ペプチドのリン酸化率閾値を同センサでも定量可能であることを確認した。今後、臨床検体を用いた実証実験、製品化へ向けた治験を計画していく予定である。
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Research Products
(17 results)