2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of renin-angiotensin system in the carcinogenesis of prostate cancer
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19K09695
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
上村 博司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50244439)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / レニン―アンジオテンシン系 / aPKC / IL6 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンジオテンシンII(AngII)は、AT1レセプターに結合してアンドロゲン非依存的に前立腺癌細胞の増殖を促進し、降圧剤のAT1レセプターブロッカー(ARB)が前立腺癌細胞の増殖を抑制することを、私達は証明した。もう一つのAngIIレセプターであるAngIIレセプター2(AT2R)は、心臓血管系細胞においてAT1Rを介した細胞増殖などの作用と拮抗すると報告されている。前立腺癌細胞において、AT2Rリガンドが前立腺癌細胞の増殖を抑制することをin vitroおよびin vivoで確認した。一方、私達はatypical protein kinase C(aPKC)が前立腺癌の進展に関わり、さらに最近の研究で、このaPKCが正常前立腺細胞の癌化に関与することが分かった。この研究ではAT2Rリガンドが前立腺癌の発生を抑える機序として、aPKCにどのように関与しているかを解析する。 我々が行った前立腺癌細胞を用いた研究において、AngII刺激した前立腺癌からIL6 やMCP-1などの炎症性サイトカインが分泌されていることを確認している。興味深いことに、前立腺癌細胞からのIL6分泌はaPKCが関与していることが分かった。そこで、今後はAngII 刺激によるIL6分泌にaPKCがどのようにかかわっているかを、前立腺癌細胞を用いて行っていくことにしている。 さらに、最近、レニンの前駆体であるproRenin受容体((p)RR)が多くの癌腫で発現していることが分かってきた。(p)RRはアンジオテンシン2受容体(ATIR)と相互作用してPI3KやMAPKなどの増殖系シグナル伝達系を活性化している。レニンが直接、細胞膜表面にある(p)RRに結合して、細胞内シグナルを介してのaPKCへの関与やIL6分泌について解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床試験や企業治験に携わる時間が多かったため、実験を進めるのに十分な時間が取れなかった。また、研究室での細胞培養の環境が、工事などで影響を受けたため、実験を再開するのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
前立腺癌細胞は4種類をそろえ、培養条件も整ったので、今後は各細胞を用いて下記の実験を行う予定である。 (1)前立腺癌細胞をAngIIやレニンで刺激して、(p)RRやaPKCの発現変化をqPCRやウェスタンブロットで確認する。 (2)ヒト前立腺癌組織における(p)RRとAT1Rとの発現に相関があるかどうか、qPCRで解析し、臨床データとの相関についても解析する。 (3)抗ヒト(p)RR抗体を入手して、前立腺癌細胞を刺激、IL6分泌やaPKC発現に対する影響があるかどうかを調べる。
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Causes of Carryover |
臨床試験や企業治験に携わる時間が多かったため、実験を進めるのに十分な時間が取れなかった。また、研究室での細胞培養の環境が、工事などで影響を受けたため、実験を再開するのに時間を要した。前述した理由のため、費用を要した実験を行えなかった。 今後は、実験環境が整ったので、フルタイムの実験助手ともに研究を推進できる予定である。さらに、今まで蓄積したアーカイブのヒト前立腺癌組織から抽出したcDNAを入手できたので、qPCRなどのデータも得られる。ただし、臨床データに関しては時間を要するため、最終年度に持ち越す可能性が高い。
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[Journal Article] Matching-Adjusted Indirect Comparison of Health-Related Quality of Life and Adverse Events of Apalutamide Versus Enzalutamide in Non-Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer.2020
Author(s)
(4)Chowdhury S, Oudard S, Uemura H, Joniau S, Pilon D, Lefebvre P, McQuarrie K, Liu J, Dearden L, Sermon J, Van Sanden S, Diels J, Hadaschik BA.
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Journal Title
Adv Ther
Volume: 37
Pages: 512-526.
Peer Reviewed
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[Journal Article] Apalutamide and overall survival in non-metastatic castration-resistant prostate cancer.2019
Author(s)
(8)Small EJ, Saad F, Chowdhury S, Oudard S, Hadaschik BA, Graff JN, Olmos D, Mainwaring PN, Lee JY, Uemura H, De Porre P, Smith AA, Zhang K, Lopez-Gitlitz A, Smith MR
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Journal Title
Ann Onco
Volume: 30
Pages: 1813-1820
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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