2023 Fiscal Year Annual Research Report
Diagnosis of kidney graft dysfunction using metabolome analusis
Project/Area Number |
19K09700
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
岩本 整 東京医科大学, 医学部, 教授 (00338831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30458963)
今野 理 東京医科大学, 医学部, 講師 (50385027)
上野 琢哉 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (00296469)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎移植 / 急性拒絶反応 / メタボローム解析 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
腎移植後の急性拒絶反応などの腎機能障害の原因精査においては、確定診断は侵襲性の高い移植腎生検で行う。本研究では低新種に診断を行えるリキッドバイオプシーによる新たな診断法の開発を目標とした。コントロール群で移植腎ドナー群、移植腎機能安定群と対象群である移植腎機能障害群を比較検討した。メタボローム解析により、血漿中97代謝物、尿中133代謝物、唾液中108の代謝物が同定・定量された。多変量解析により、3群のメタボロームプロファイルに明らかな違いがあることが明らかになった。血漿サンプルでは、アルギニンの生合成とプリン代謝が移植腎機能障害群と移植腎機能安定群で異なっていた。さらに、移植腎機能障害群のうちT細胞性拒絶反応(TCR)、抗体関連型拒絶反応(AMR)、その他の腎障害(KD)の参加者から採取したサンプルでは、メタボロームプロファイルに有意な違いが観察された。唾液、尿、血液3種類のサンプルのバイオフルイド中のメタボロームプロファイルはTCRとKDで異なるパターンを示し、3-インドキシル硫酸塩は血漿と尿サンプルの両方で一貫してTCRにおいて有意な増加を示した。この代謝物は急性拒絶反応のバイオマーカーとして利用できる可能性がある。確定診断である各移植腎生検病理との比較から、3-インドキシル硫酸とトリメチルアミンN-オキシド関連経路の異常が示され、腎機能に関連した代謝変化が反映されていることが示された。これらの代謝物は急性再拒絶反応の評価にも使用できる可能性がある。
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