2020 Fiscal Year Research-status Report
非閉塞性無精子症に対するMD-TESE成績向上に資する精細管MRIの開発
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19K09703
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
山口 雅之 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (90450577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古城 公佑 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30828158)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精細管 / MRI / 非閉塞性無精子症 / がんサバイバー / 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、非閉塞性無精子症(NOA)モデル動物および対照動物の精巣組織のMRI測定を実施した。モデル動物作成は、分担研究者の古城が実施した。MRI測定は研究代表の山口が実施した。MRI上、精細管の壁と管腔が描出されたものの、観察者による視覚的評価では、NOAモデルと対照との間で、MRI所見の差が小さかった。 そこで、MRI所見の差を検出しやすくするために、撮像技術の改善を試みた。具体的には、独自開発の高周波コイル(信号検出器)を用い、信号雑音比を改善し、その上で、従来比15%まで画素を縮小(換言すると、分解能を改善)した画像を得た。 これに加えて、MRIのパルスシークエンスや撮像パラメターの最適化を実施し、反転パルスを印加した高速スポイルドグラジエントエコー法による撮影によって、精細管の壁と管腔の描出が可能とわかった。 次に、画像解析技術の観点から、検討を加えた。具体的には、MRIの画素値のパターンを基に、畳み込みニューラルネットワークを用いた解析を実施した。観察者の視覚的評価では検出が難しくとも、NOAモデルと対照のMRI所見の分類に有益な特徴量抽出が可能となると考えた。初期的な検討から、このアプローチの実現可能性が示唆されたため、今後、入力MRI画像数を増やした検討を継続する。 精巣は、精巣挙筋や肉様膜の収縮により不随意に動くため、MRIではアーチファクトが生じやすいうえ、測定目標の精細管が微小構造であることから、撮影技術や画像解析の点で、高い技術が要求される。上述した基盤技術の積み上げにより、NOAに対するMD-TESE成績向上に資する精細管MRIの開発につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NOA動物モデルの作出技術の改善に試行錯誤し、時間を要しているため。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う施設の利用制限や研究者の往来制限などにより、当初予定していた実験が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、NOA動物モデルの作出技術の改善を試みる。畳み込みニューラルネットワーク解析を進めるため、MRI画像の入力数を増やす。但し、動物実験倫理審査において許可された動物使用数の範囲内で実験を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う施設の利用制限や研究者の往来制限などにより、当初予定していた実験が実施できなかったため。また、当初予定していた学会発表、研究会発表を延期したため。 次年度以降に、必要な動物実験、研究成果の公表に使用する。
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