2020 Fiscal Year Research-status Report
化学療法抵抗性を有する転移性膀胱癌に対するエピジェネティックス治療確立
Project/Area Number |
19K09706
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西山 直隆 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (70619030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 弥栄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00260315)
北村 寛 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00404674)
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 転移性膀胱癌 / エピジェネティクス治療 / 化学療法抵抗性 / ヒストン修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験動物を用いた治療効果およびマーカー性能の検証 CDDP耐性膀胱癌細胞株の造腫瘍能、浸潤・転移能ならびに治療効果を、実験動物を用いて検証した。NOD/SCIDマウスの皮下に耐性株および親株を移植し、造腫瘍能、腫瘍成長速度、組織所見、遠隔転移能などの検討を行った。in vivoの実験では低用量の5-aza-CdRのみでは親株およびCDDP耐性株ともに腫瘍の成長速度は、コントロールと比較し増大する傾向にあった。しかし低用量の5-aza-CdRとCDDPを組み合わせることで、親株および耐性株においてコントロールと比較し、有意に腫瘍の増大速度を抑えることが証明された。また一方で高容量の5-aza-CdRを用いたin vivoの実験では、5-aza-CdRのみで腫瘍の増殖を抑えることが明らかとなった。今後の臨床試験において、骨髄異形成症候群で臨床に使用されている濃度を用いることも踏まえつつ、臨床試験を計画中である。 エピゲノム解析による化学療法抵抗性メカニズムの解明とマーカー探索 in vivoの実験にて得られた結果より、耐性株および親株においてヒストン修飾によるメチル化を受ける領域(accessible領域)と受けない領域(inaccessible領域)を明らかにするAcceSssIbleアッセイを施行した。また親株および薬剤耐性株において5-aza-CdRに暴露前後におけるゲノム網羅的なDNAメチル化解析を追加した。現在、上記2週類のゲノム網羅的解析を施行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19による移動制限のために、解析を予定した慶應義塾大学病理部での解析が施行できない状況にある。ゲノム網羅的な解析には解析に精通した研究者との連携と、解析に耐えうるコンピューターが必要となる。移動が可能になった状況で速やかに解析を行い、研究成果をまとめる予定となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ゲノム網羅的な遺伝情報の解析を行った後に研究成果としてin vitro、in vivoの結果をまとめ研究成果として発表の予定である。現在の5-aza-CdRの投与方法がマウスへの直接投与ではなく、腫瘍をマウスへの移植前に培地への5-aza-CdR添加を行っている。臨床試験を計画する前にPatient derived xenograft (PDX)を作成し、直接5-aza-CdRを投与する実験計画をたてている。その後、研究成果を基に前向き臨床研究を計画する。
|
Causes of Carryover |
COVID19による移動制限のために、解析を予定した慶應義塾大学病理部での解析が施行できない状況にある。本来であれば2020年度に予定していた解析が、2021年度へ変更となっている。そのために昨年度に施行予定であったゲノム網羅解析を行う予定である。昨年度の網羅解析費用および解析結果の発表を行うために翌年度分として計上した。
|