2021 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法抵抗性を有する転移性膀胱癌に対するエピジェネティックス治療確立
Project/Area Number |
19K09706
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西山 直隆 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (70619030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 弥栄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00260315)
北村 寛 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00404674)
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膀胱がん / 化学療法耐性 / 新規治療開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
DDP/GEM抵抗性細胞株を用いて、抵抗性株と親株のDNAメチル化、ヒストン修飾、クロマチンアクセシビリティをゲノム網羅的に解析を行った。 クロマチンアクセシビリティはAcceSssIbleアッセイにより解析を行い、メチル化を受ける領域(accessible領域)と受けない領域(inaccessible領域)を明らかにした。CDDP/GEM抵抗性細胞株では親株と比較して、ヒストン修飾を受けている領域がことなることが明らかとなった。薬剤の抵抗性にはヒストン修飾によるクロマチン構造の変化が寄与していることが明らかとなった。 5-aza-2-deoxycytidine(5-Aza-CdR: 商品名vidaza)を用いた薬剤再感受性に関し、薬剤投与後のCDDP/GEM抵抗性細胞株に対して、Infinium BeadChipによる網羅DNAメチル化解析を行った。薬剤投与7日目の段階でのゲノム網羅的なDNAメチル化解析では、耐性株においても親株と同様に5-Aza-CdRによるDNA脱メチル化を認めるが、DNA脱メチル化のプロファイルは親株と異なっていることが明らかとなった。 耐性化にはある特定の部位の遺伝子変化ではなく、ゲノム網羅的なDNAメチル化の変化およびヒストン修飾による構造変化の両方が寄与していることが判明した。 CDDP耐性膀胱癌細胞株の造腫瘍能、浸潤・転移能ならびに治療効果を、実験動物を用いた研究を行った。ヌードマウスを用いたin vivoでの研究では2種類のCDDP耐性膀胱がん細胞株において、低用量の5-aza-CdR(0.1μM, 48時間)では腫瘍の増殖抑制はみられず、逆に増大効果が認められた。しかしCDDPを投与することで相乗効果を認め、耐性株においても増殖抑制効果を認めた。
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