2019 Fiscal Year Research-status Report
単一細胞遺伝子解析によるヒト造精機能障害の分子機構の解明
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19K09712
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
白石 晃司 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00535255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 哲仁 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (60596823)
大川 恭行 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80448430)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精子形成 / 無精子症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト精巣から分離した精祖細胞について単一細胞遺伝子解析を進めている。精巣組織のドロップから倒立顕微鏡下に精祖細胞を形態学的に分離する方法についてはc-kitなどのマーカー染色にて純度が95%以上で300個前後の細胞を安定して採取可能となった。次世代シーケンサーを用いた単一細胞遺伝子解析を行ったところ、精子形成正常例ではDNA合成を担う遺伝子の発現を中心に、細胞分裂や転写調節因子の発現が統合されたgene ontologyが示された。一方、非閉塞性無精子症症例ではアンドロゲンレセプターなどの内分泌系分子の発現低下を認めるものや、細胞周期関連の遺伝子発現が極端に少ないものなど、一定の傾向を示さないため、症例数を重ねて検討している。 また非閉塞性無精子症において発現が極端に減少するまたは亢進し、これまで精子形成について検討されていない遺伝子をいくつか見出しており(ATF1やprominin-2など)、これらについても精巣内での局在や機能について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の懸案事項であった単一細胞遺伝子解析が可能であったことより、技術的な問題点は認められなくなった。症例の蓄積も予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を重ねることにより非閉塞性無精子症症例においていくつかの遺伝子発現パターンに基づいたクラスター分類ができそうである。クラスター分類することで造精機能改善に向けてのテイラーメイドのホルモン剤や抗酸化剤などの薬物療法の適用や、新規薬剤の使用の可能性が予想され、精細管培養により添加実験なども予定している。
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Causes of Carryover |
解析症例数による差額であり、次年度も引き続き遺伝子解析の費用として使用する予定である。
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