2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating anticancer drug resistance in urothelial carcinoma by multi-faceted approach
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19K09715
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中川 昌之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90164144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 洋一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (60793354)
榎田 英樹 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (80347103)
吉野 裕史 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (90642611)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | miR-223 / WDR62 / 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA (miRNA) は二十塩基ほどの小さなRNA分子であり、mRNAの分解と翻訳阻害により遺伝子の機能を制御している。以前我々が行った次世代シークエンサーによるmiRNA発現解析において、膀胱癌組織でmicroRNA-223 (miR-223) の発現が低下していた。miR-223はいくつかの癌において癌抑制的に働くことが報告されているが、膀胱癌での報告はない。膀胱癌におけるmiR-223の働きを解明するため本研究を行った。臨床検体を用いてqRT-PCRでmiR-223の発現を調べた。precursor miR-223を導入した膀胱癌細胞株(BOY・T24)を用いてgain-of-function studyを行った。in silico解析にて標的遺伝子を検討し、選出したWDR62のsiRNAを導入した細胞株を用いてloss-of-function studyを行った。The Cancer Genome Atlas (TCGA) データベースを用いてmiR-223、WDR62の発現と臨床病理学的事項との関係を評価した。その結果、miR-223の発現は膀胱癌組織において有意に下していた。precursor miR-223、 si-WDR62の細胞内導入により膀胱癌細胞株の増殖・遊走・浸潤能が抑制された。TCGAデータベースを用いた解析では全生存期間においてmiR-223の発現が高い群においては低い群に比べて有意に生存期間が長かった(P=0.0186)。miR-223は膀胱癌細胞の増殖、遊走、浸潤に関与し、癌抑制的機能を有し、その一つの機序としてWDR62の機能抑制に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマの一つの課題について研究成果を出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに候補遺伝子群と前年までの研究で明らかになった耐性関連シグナルの関係を調べ、両者に共通するGC耐性関連遺伝子を絞り込む。この段階では2,3の耐性関連シグナルと10個程度の関連遺伝子に絞り込めると想定している。耐性関連シグナルの解明と既存薬による阻害効果のin vivo実験:既存薬でGC耐性関連シグナルの阻害薬があれば、GC耐性株をゼノグラフトとしたマウスを用いたin vivoの実験を行う。マウスに阻害薬を投与してコントロールと比較してGC耐性の克服効果を検討する予定である。ゼノグラフトを回収して、標的とした耐性関連シグナルに属する遺伝子の発現低下を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
Chip assayによる中国の企業に依頼してシーケンスを行う予定であったが、新型コロナ感染症の影響で当該年度中の実施が困難になった。現状回復したら直ちにオーダーする予定である。全体の実験の進行には影響しないと考えられる。
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