2019 Fiscal Year Research-status Report
腎杯内尿流シミュレーションによる結石形成のリスク分類法と予防法の開発
Project/Area Number |
19K09718
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松崎 純一 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (80817370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 紘大 東海大学, 工学部, 准教授 (60401684)
高橋 俊 東海大学, 工学部, 准教授 (60553930)
古目谷 暢 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (60721082)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尿路結石症 / 流体シミュレーション / 予防医学 / 自然排石 / 健康増進 / 医療経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は結石形成を阻害するのではなく、臨床症状を呈しない微小サイズのうちに結石を排出し臨床レベルの結石形成を予防することを目指す。患者CTデータをもとに腎杯・腎盂内における尿流をシミュレーションし、各腎杯から微小結石を排出するための流速(排石流速)を算出する。そして①排石流速が高いほど結石が残りやすいことに基づき腎結石形成リスク分類法を、飲水負荷により排石流速以上の尿を産生すれば排石できることから結石予防法を考案する。また、②CT画像の腎盂・腎杯の形態情報のみで排石流速を推定することで、シミュレーションが不要でより簡便な腎結石形成リスク分類法と予防法の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①尿流シミュレーションに基づく腎結石形成リスク分類法と予防法の考案 微小サイズの腎結石が腎杯、腎盂から排出される過程を再現するシミュレーションを設計した。3次元模型の中で微小結石を模した球体を自由落下させ高速撮影した実データとシミュレーション結果を比較することで、シミュレーションの妥当性を確認した。
②腎結石形成リスク分類法と予防法の簡便化 全ての患者で①のシミュレーションを実施するのは解析に要する計算コストと解析時間などの課題があり現実的ではない。そこでより簡便にシミュレーションを行う手法を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
①尿流シミュレーションに基づく腎結石形成リスク分類法と予防法の考案 今後は、径2mm以下の微小腎結石患者のCTデータを用いて尿流シミュレーションに基づくの腎結石形成リスク分類法と予防法の検討をすすめていく。またシミュレーション結果から重力が結石の動きに影響を及ぼす可能性が指摘されたため、最も排石しやすい姿勢や運動についても探索も行っていく。 ②腎結石形成リスク分類法と予防法の簡便化 今後は①と同様に患者の実データを用いた検証を実施していく。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも解析に用いるソフトウエアおよび解析結果を保存する機器に要する費用を抑えることが出来たため次年度使用額が生じた。今後の研究の進展に伴って多数の解析結果が得られ保存機器の容量が不足するので、翌年度に保存機器を大量購入する際に使用する方針である。また解析作業が研究進展の律速段階になるため、臨時給によって「数値解析実施並びにデータ整理」に関わる業務を促進させる方針である。
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