2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチオミックス解析による腎がん新規治療標的の探索と治療選択アルゴリズム開発
Project/Area Number |
19K09728
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
氏家 剛 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00738875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 元秀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40631015)
阿部 雄一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 プロテオームリサーチプロジェクト, 協力研究員 (30731632)
清谷 一馬 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター 免疫ゲノム医療開発プロジェクト, 主任研究員 (30433642)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎細胞がん / 個別化医療 / マルチオミックス / プロテオゲノミクス / がん組織 / 血液バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
予後不良の転移性腎癌の新規治療標的および血液バイオマーカーを同定するため、腎がん特異的小分子の探索は世界中で行われているが、臨床応用には至っていない。現在用いられている分子標的薬はマルチキナーゼ阻害剤であるが、これらキナーゼは極めて微量であり網羅的タンパク質解析では同定が困難であり、またその器質のリン酸化のがんにおける生物学的寄与の評価も要することが障壁となっている。腎がんにおいてキナーゼ自体の変異はごく僅かであり従来の発現解析、ゲノム解析のみでは効率的な標的探索が困難である。腎がんにおける新規治療標的の同定と治療アルゴリズムの開発を目的として、マルチオミックス解析を 用いた新規の解析プラットフォームの構築を目指す本研究を行う。世界最高深度チロシンリン酸化プロテオームの構築に成功しており、これにより腎がん検体のリン酸化のより深い情報を得ることが可能となった。現在、腎がん組織と正常腎組織を用いて質量分析計によるプロテオーム情報の取得を行っている。また次世代シークエンサーを用いたRNAseqによる網羅的トランスクリプトミクス解析についてはほぼ完了し、DNAシークエンス解析を施行した。さらに元来の予定とは異なるが、免疫チェックポイント阻害剤が転移性腎癌治療において、避けることができないほどの、隆盛を極めていることから、同治療を施行した患者血清を用いて、cfDNAのプロファイリングを得ることで、がん組織に存在する変異との比較解析を行うことができたため、治療早期に変化するバイオマーカーとしての提案となる内容で論文化することができた。
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Research Products
(1 results)