2020 Fiscal Year Research-status Report
移植腎長期生着へ向けた慢性移植腎症非免疫学的メカニズムの解明と予防法の開発
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19K09738
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森田 伸也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10365364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 和伸 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60348737)
環 聡 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (20626741)
吉田 理 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00306713)
高橋 遼平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90815367)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シクロスポリン腎症 / NF-κB / DHMEQ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、ラットの慢性シクロスポリン(CsA)腎症モデルおよび、選択的NF-κB阻害剤であるDHMEQ(dehydroxymethylepoxyquinomicin)を投与したモデルを作成した。 DHMEQは、CsA投与による腎皮質組織でのNF-κB活性化および核内移行を有意に妨げた。血清UN値と血清Cr値は、Control群よりCsA群で有意に上昇し、CsA+DHMEQ群でCsA群より有意に低下した。クレアチニンクリアランスは、Control群よりCsA群で有意に低下し、CsA+DHMEQ群でCsA群より有意に上昇した。一方、尿中蛋白は、Control群よりCsA群は有意に低下し、CsA+DHMEQ群はCsA群と変化はなかった。腎皮質の線維化は、Control群よりCsA群は有意に進行し、CsA+DHMEQ群はCsA群より有意に進行を抑制し、腎機能評価と一致した。腎皮質におけるMCP-1およびCCL5のmRNAの発現は、Control群よりCsA群は上昇し、CsA+DHMEQ群はCsA群より低下しており、マクロファージ、好中球の浸潤は、Control群よりCsA群で有意に増加し、CsA+DHMEQ群でCsA群より有意に減少していた。 DHMEQは、CsAが投与されたラットの腎臓において、NF-κB活性化を抑制し、機能的障害、組織学的障害を軽減した。そのメカニズムとしては、マクロファージの活性化や走化性の亢進を促すMCP-1を減少させたことによる間接的効果、および、以前の報告に示されたマクロファージの活性化や貪食能を抑えるという直接的効果による影響が考えられた。一方、CsAは尿中蛋白流出を抑制することが報告されているが、DHMEQ投与はその効果を変えなかった。 以上の結果をまとめて、英語論文として投稿し、アクセプトされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性シクロスポリン腎症モデルでの検証の結果ができ、英語論文にて報告できたが、この実験および論文化に時間を要しており、次の腎臓局所細胞のNF-κB抑制シクロスポリン腎症モデルでの検討に入っているものの、当初の計画より遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
腎臓局所細胞のNF-κB抑制シクロスポリン腎症モデルを作成していき、それぞれの腎機能、組織学的評価、免疫組織学的評価を行っていく。その後、腎移植慢性拒絶反応モデルでの実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
購入予定であったラット・マウス・試薬が、実験の進行に合わせて翌年度に購入することとなったため。
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Research Products
(1 results)