2019 Fiscal Year Research-status Report
マウスを用いた男性生殖器における嗅覚化学感覚細胞の組織内分布と解剖学的特徴の解明
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19K09743
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上村 慶一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (70446079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 則行 久留米大学, 医学部, 講師 (80625468)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 化学感覚細胞 / Golf / ACⅢ / CNG channel type Ⅱ / CNG channel type Ⅳ |
Outline of Annual Research Achievements |
12週齢の雄マウスを用いて、4%パラホルムアルデヒドで還流固定を実施した。還流固定されたマウスから生殖器を摘出して、凍結包埋を行った。凍結包埋した組織を、4μmの薄さで切片を作成して免疫染色を行った。嗅覚の受容体の持つ多様性は非常に複雑であり、今回の研究では受容体の同定に関しては、困難であると判断した。嗅覚受容体の下流に存在するColf(G protein olfactory type)、Adenylate cyclasde type Ⅲ(ACⅢ)、Cyclic nucleotide-gated (CNG) channel typeⅡ、CNG channel typeⅣに関しての、組織学的検討を行う事とした。 Golfに関しては、男性生殖器内の細胞に免疫反応を示す細胞は確認できなかった。ACⅢに関しては、精巣上体頭部の上皮直下の細胞に免疫反応を示す細胞の存在を確認した。さらに、CNG channel typeⅡに関しても、精巣上体頭部~体部にかけてACⅢと同様に上皮直下の細胞に免疫反応を示す細胞の存在を確認した。CNG channel typeⅣは、精巣上体頭部の精巣上体関門に最も強い免疫反応を示し、上皮直下の細胞にも部分的に免疫反応を示す細胞が存在していた。ACⅢ、CNG channel typeⅡ、CNG channel typeⅣに反応を示す細胞がどのような特徴があるのか、間質細胞のマーカーである、Vimentin、PDGFRα、CD34等を用いて検証を行う予定である。また、それらの細胞と基底膜、神経、血管、平滑筋との関連性を調べる必要も生じている。Golfに関しては再評価が必要と思われ、免疫染色の手法や条件を変えて再度取り組む予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床にかける時間が多く、基礎研究に従事する時間の確保が予想以上に困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進方策としては、昨年の反省を踏まえて考えると、研究を行う時間の確保と研究に携わる人的確保が重要でありその面の改善を考えている。時間の確保に関しては、所属機関との話し合いを行い、研究に従事しやすい環境を整える事とした。また、人的な補充の問題も大学院生とともに研究を進める事で改善を図る事とした。
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Causes of Carryover |
科研費を使用して当該年度の血球に及んだが、研究を進める段階において計画と比較して少々ではあるが実施状況に遅れが生じた事とがメインの原因であると考える。使用計画であるが、本年度は研究に打ち込める時間的、人的問題をクリアーできるように動いており、計画通りの進捗状況で研究を進める予定である。研究が進むとによって、科研費の使用用途も増すと思われる。繰越金もその際に使用する予定である。
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