2019 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の医薬品使用と児の先天奇形発症に関連する環境・遺伝要因の解明
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19K09746
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
西郡 秀和 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40453310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 拓 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (80612019)
栗山 進一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (90361071)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レセプトデータベース / 妊産婦・褥婦 / 抗うつ薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊産婦・褥婦の医薬品使用のうち、抗うつ薬の処方状況を株式会社JMDCの保有する大規模レセプトデータベースを用いて解析した。東北大学病院のadministrative dataを用いて構築したアルゴリズム(Ishikawa T, Obara T, Nishigori H et al. Pharmacoepidemiol Drug Saf 2018;27:751-62.)と,児の出生年月を組み合わせ,妊娠開始日・出産日を推定した。児と連結が可能であり,妊娠前180日~出産後180日の期間,同一の健康保険組合に在籍した母親33,941名を対象とした。出産日以前に111人(33/10,000人)が双極性感情障害(ICD-10コードF31)、729人(215/10,000人)がうつ病エピソード(同F32),830人(245/10,000人)がその他の不安障害(同F41)であった。妊娠前180日~出産後180日の間に,33,941人中451人(133/10,000人)に1回以上抗うつ薬の処方があった。 妊娠前180日~出産後180日に最も多く処方されていた薬剤は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI,105/10,000人),続いて三環系抗うつ薬(TCA)/non-TCA(30/10,000人)であった。妊娠前180日に抗うつ薬が処方された339人中151人(44.5%)は妊娠中に抗うつ薬処方を中止した。妊娠前180日~出産後180日の期間に最も多く処方があったSSRIはセルトラリン(145名,43/10,000人)であり,続いてパロキセチンであった。本研究は,日本の大規模administrative databaseを用い,妊婦における抗うつ薬処方状況を評価した初めての研究である。今後は、これらのデータを応用して児の先天奇形発症との関連の解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レセプトデータベースを用いて、児との連結できること、妊産婦・褥婦の医薬品使用状況の解析できることが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、レセプトデータを応用して児の先天奇形発症との関連の解析を進めていく予定である。また、これに加えて東北大学東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査で収集された情報を解析して、妊婦の医薬品使用と児の先天奇形発症有無とその関連因子を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
特に東北大学東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査の情報を用いた本格的な解析はこれからであり、当該年度は、当初予定した人件費(謝金)を使用しなかったことなどが理由としてあげられる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Antidepressant prescriptions for prenatal and postpartum women in Japan: A health administrative database study.2020
Author(s)
Ishikawa T, Obara T, Kikuchi S, Kobayashi N, Miyakoda K, Nishigori H, Tomita H, Akazawa M, Yaegashi N, Kuriyama S, Mano N.
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Journal Title
J Affect Disord.
Volume: 264
Pages: 295-303
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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