2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K09753
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 圭一郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (90359886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 寿 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30314678)
小川 千加子 岡山大学, 大学病院, 助教 (50583035)
松原 侑子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (50835139) [Withdrawn]
松岡 敬典 岡山大学, 大学病院, 医員 (60835057)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮体部癌肉腫 / TCGA / 革新的新規治療戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年ゲノム医療は目覚ましい発展をとげ,従来から行われている治療法に加え,遺伝子解析で得られた結果により分子標的治療が使用されるようになってきた。しかしながら婦人科癌においては,卵巣癌・子宮頚癌にベバシツマブ,卵巣癌にオラパリブが使われるようになってきたが,子宮体癌においては未だ有効な分子標的薬は見つかっていない。子宮体癌はThe Cancer Genome Atlasによる網羅的ゲノム解析から4つのサブタイプに分類でき,我々は以前から遺伝子解析を鋭意遂行し,臨床病理学的特徴と遺伝子変異の照合を行い,遺伝子変異情報を基盤とした子宮体癌に対するゲノム解析を推進してきた。POLE変異, MSI, p53の組み合わせが子宮体癌の予後を予測する有効なBiomarkerになることや, POLE変異やMSI陽性症例には免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体, 抗PD-L1抗体)が有効な治療法に成りうることは知られているが, POLE変異やMSIの陰性例やP53陽性例患者の有効な治療法は未だ発見されていない。そこで我々はゲノム変異だけでなく,トランスクリプトーム,プロテオーム,エピジェネティクス変異も加味した治療法の必要があると考える。癌発生や進行にはDNAメチル化やヒストン脱アセチル化などのエピジェネティックな異常の関与が示唆され,DNAメチル化やヒストン修飾の異常はmicroRNAと呼ばれる低分子 RNAにより制御されることが知られている。そこで本研究では,子宮体癌で最も予後不良で難治性である癌肉腫に着目し,microRNAを標的とした新しい診断および治療法開発のため(1)癌における遺伝子変異とmicroRNA発現の解析(2)microRNAにより制御される遺伝子ネットワーク解析を行い,細分化を図り,革新的新規治療戦略の構築を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病理部と協力し,子宮体部癌肉腫病理学的特徴の検討を加え行っている。また細胞株での検討も順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
病理学的特徴と遺伝子変異の照合を,次世代シーケンサーを用いて,ゲノム変異, DNA methylation,miRNA,mRNA発現を検討し,子宮体部癌肉腫の詳細な標的遺伝子解明を行い,予後予測や新規治療標的の発見を行う。子宮体部癌肉腫細胞株を用いて,新規microRNA創薬による抗腫瘍効果について検証する。本研究の学術的に多くの特色,独創的な点を含んでおり,子宮体部癌肉腫の治療・研究において革新的な向上をもたらす可能性を秘めており,本臨床医学研究の意義は極めて深いと考えられる。
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Causes of Carryover |
次年度に計画している次世代シークエンサー解析のための消耗品費に充当する予定である。
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