2021 Fiscal Year Annual Research Report
MRスペクトロスコピーを用いて子宮内膜症の悪性化を早期に予測する新規検査法の確立
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19K09758
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉元 千陽 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00526725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 有紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20588537)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40178330)
川口 龍二 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50382289)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内膜症性嚢胞 / 内膜症関連卵巣癌 / MR Spectroscopy / R2 Predictive Index / 鑑別 / 予測式 |
Outline of Annual Research Achievements |
シーメンス社製 3T MRI装置を用いて得られたR2値と、手術後の病理組織学的所見、および経過観察中の臨床データを比較し、良悪性鑑別における診断精度のさらなる向上と、悪性化を早期に予測・診断するために基準となるR2値の基礎データを収集することを目的とし多施設共同研究が進行中である。新型コロナ感染症蔓延の影響を受け、症例蓄積が滞っていたために研究期間を延長しており、現在も研究進行中であり、当初予定していたカットオフ値の見直しおよび精度の評価には至っていない。 一方、嚢胞内鉄濃度に影響を及ぼす要因の検討に関して、当施設で蓄積していた良性卵巣腫瘍(105例)と悪性卵巣腫瘍(37例)を用いてR2に与える因子を重回帰分析により評価した。 評価項目として①臨床所見(年齢、性別、身長、体重、月経情報、妊娠分娩情報、既往歴、治療歴)、②血液所見[手術前のAFP、CEA、CA19-9、CA125、SCC、CA72-4、WBC(分画も含む)、Plt、CRP、Alb、DD、PT、APTT]、③病理学的所見(手術標本の免疫組織学的所見)、および④画像所見(MRSによるR2値も含む)を評価した。上記によりR2値に影響を及ぼす因子が腫瘍径とCEA値であることを特定し、予測式から得られた値をR2 Predictive Indexと命名した。尚、R2 Predictive Indexのカットオフ値を18.70とすることで内膜症性嚢胞と内膜症関連卵巣癌を感度83.2%、特異度76.4%と高い精度で鑑別することができることを示した。更に、この予測式を用いて、MRSを施行していない卵巣腫瘍[内膜症性嚢胞(54例)と内膜症関連卵巣癌(51例)]の良悪性を鑑別できるかを多変量解析で評価したところ、R2 Predictive Indexが独立した予測因子であることを確認した。
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Research Products
(1 results)