2021 Fiscal Year Research-status Report
胎児治療に向けた次世代型HIFUトランスデューサを用いた治療プロトコルの開発
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19K09763
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
市塚 清健 昭和大学, 医学部, 教授 (00338451)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強出力集束超音波 / 胎児治療 / 胎児横隔膜ヘルニア |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】次世代型の電子制御可変焦点式マルチチャンネルのHIFUトランスデューサを開発し、同トランスデューサを用いて治療し得る至適照射条件について動物実験を通じて新知見を得ること及び臨床手技を確立することを本研究課題の目的とした。本研究課題が達成された場合は、ヒト各種胎児疾患に対する治療への応用が期待できる。【HIFUによる胎児横隔膜ヘルニアFETOバルーン抜去に関する基礎的検討】本年度は一昨年度に作成した電子制御可変焦点式マルチチャンネルのHIFUトランスデューサーに画像用プローブを一体化させた治療用HIFUトランスデューサーを用いてHIFU用ファントムを用いて照射出力精度の確認を行った。本年度は予定していた動物実験が実施できなかったため、胎児横隔膜ヘルニアの胎児治療で用いられるFETO(fetal endotracheal occlusion)バールーンの抜去をHIFUを用いてバルーンを破裂させることで行うための基礎実験をおこなった。FETOバルーンをリモネン含有エマルジョンで満たしファントム中に留置した。HIFUを照射しエマルジョンを破壊することでリモネンがFETOバルーンと接触することでバルーンが破裂可能かどうか、またその機序について検討した。HIFU照射によりFETOバルーンが破裂することが確認された。その機序としてはHIFUの熱作用よりもキャビテーションによる作用が関連していることが推察された。【本年度研究の重要性】従来FETOバルーンの抜去は経母体腹部から胎児鏡を挿入する観血的方法で行われていたが、HIFUを用いてバルーンを破裂させ抜去することで非観血的にバルーン除去が可能となり非侵襲的にFETOバルーンの抜去が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来であれば一作年度に作成した治療用HIFUトランスデューサーで幼若ブタを用いてHIFU照射実験を行う予定であった。実験場所としては照射に必要な手術室、麻酔機器一式、生体モニターなどすべてが完備された動物実験施設を予定していた。しかしながら動物実験施設へのヒト及びもの移動また実験施設内の密な環境がCOVID19の流行により不可能となってしまい動物実験が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本年度行えなかった動物実験を行う予定である。すなわち幼若ブタを用いた動物実験を予定している。①TRAP sequence胎児治療を想定した実験;幼若ブタ腎葉間血管をHIFU照射により血流遮断実験を行う。照射条件や照射手技は昨年度までにファントム実験で行ってきた知見を参考に行う。②胎児横隔膜ヘルニアFETOバルーン抜去を想定した実験;幼若ブタ気管にリモネン含有エマルジョンで満たしたFETOバルーンを留置し本年度ファントム実験より得た照射条件を参考にFETOバルーンの破裂、抜去が可能であるか確認する。①②が可能であることが確認できればヒト胎児への臨床応用に必要な知見および手技を得ることとなり本研究の目的が達成できる。
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Causes of Carryover |
本年度に動物実験を行う予定であったが、コロナ感染症流行に伴い実験施設への移動および使用ができずその分に当該助成金が発生した。したがって研究期間の延長を行った。次年度は当該助成金を研究期間延長期間で動物実験を行う予定である。
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Research Products
(3 results)