2019 Fiscal Year Research-status Report
ラクトフェリンによる難治性細菌性腟炎改善効果および早産予防効果の検証
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19K09764
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大槻 克文 昭和大学, 医学部, 教授 (90276527)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ラクトフェリン / Lactoferrin / 早産 / 難治性腟炎 / 子宮内膜泉 / 新生代シークエンス / microbiome解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラクトフェリン:Lactoferrin(LF)はヒト乳汁中や好中球に多量に含有される糖蛋白で、人体内に存在するPrebiotics(Natural Antibiotics)の一つである。LFは、抗菌・抗炎症性サイトカイン作用を有するが、Lactobacillusの発育を抑制しない。また、LFはUrinary Trypsin Inhibitor(UTI)とは異なり副作用がほぼ皆無であり安全性が極めて高い。上記の観点に立ち、我々はLFが早産予防に効果的な物質(薬剤)となる可能性が高いと考え、現在までに、LFの周産期領域における早産予防薬としての有用性を検討し報告してきた。本研究では今までの実績を踏まえて、特にLFをヒトに経口使用し、早産の予防・治療への応用及び予防の可能性、ヒトでの有用性ならびに安全性を検討・検証する。 産婦人科領域において通常の細菌培養検査ならびに新生代シークエンスを用いたmicrobiome解析結果によって難治性腟炎、頸管炎と診断され、従来の治法で症状の顕著な改善が認められない症例に対して、ラクトフェリン錠内服投与を行うことによりこれら症状に改善効果が認められるか否かを検討する。さらに、副作用等安全性についても有効性と同様に比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床業務の増加により対象症例追加へ向けた取り組みへの時間的余裕減少。後半期は新型コロナウイルス感染症対策にほとんどの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床業務の合理化をはかり、新型コロナウイルス感染症の収束へ向けた努力も併行して行っていく。 登録患者さんのフォローについては連絡を取り続ける。新規については新型コロナウイルス感染症に伴いやむを得ない。
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Causes of Carryover |
臨床業務の急激な増大と世界的な感染症流行により患者数の減少のため、薬品の購入がなかったことなどが原因と思われますので、次年度は今年度以上に対象症例の発掘に対して精力的に行動することとします。研究費の使用については想定よりも上回る予定です。
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