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2020 Fiscal Year Research-status Report

酸素・エネルギー代謝解析によるHIF-1を機軸とした子宮内膜炎症応答の解明

Research Project

Project/Area Number 19K09766
Research InstitutionKansai Medical University

Principal Investigator

中尾 朋子  関西医科大学, 医学部, 講師 (00465642)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岡田 英孝  関西医科大学, 医学部, 教授 (80330182)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords子宮内膜環境 / HIF-1 / 低酸素 / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

報告者らはこれまで手術患者より摘出した子宮の内膜組織を用いて、正所性子宮内膜における月経期から増殖期初期での低酸素環境下で、VEGF産生におけるHIF-1シグナル経路を介した血管新生の制御機構を解明、報告してきた。一方”HIF活性化=低酸素”だけでは説明し得ない現象が生体には存在するという事実も明らかとなっており、増殖因子や炎症性サイトカインによる活性調節とのクロストークにより細胞の酸素・エネルギー代謝を調節する因子としてHIF-1は注目されている。
本研究の目的はこの視点を子宮内膜由来細胞の機能調節に持ち込み、新たな視点から「子宮内酸素環境-HIF-1-炎症」の相互関係を解析し、それらが子宮内膜由来の上皮細胞、間質細胞の分化・機能に与える影響を検討することである。
2019年度は解析対象となる細胞の培養系を樹立し、それらの細胞におけるHIF-1,HIF-2の活性化を評価する実験系を確立した。
2020年度はこれらの実験系を用いて、炎症性サイトカイン(TNFα及びIL-1β)、LPS、低酸素状態がHIF活性化に与える影響を検討した。Western Blot法にて子宮内膜上皮細胞及び子宮内膜間質細胞において炎症性サイトカイン、LPS、低酸素によりHIF-1αが誘導されるのを確認し、さらに低酸素にサイトカインを加えることによりHIF-1αの誘導は増強した。またHIF-1αに誘導されるGLUT1、VEGFの発現量をqRT-PCR法にて検討し、子宮内膜上皮細胞、子宮内膜間質細胞において炎症性サイトカイン、低酸素によってこれらの発現量が増加することを確認した。さらに炎症性サイトカインが脱落膜化に与える影響を検討するために、脱落膜化マーカーであるPRL、HAND-2の発現量をqRT-PCR法にて検討し、炎症性サイトカインによって子宮内膜間質細胞の脱落膜化が抑制されることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年度は、2019年度に樹立した実験系を用いて、計画していた実験を行いおおむね期待していた結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

2021年度はKinase inhibitorsを用いて、どういった経路(PI3k、MAPK、NFκB)で炎症性サイトカインが子宮内膜細胞においてHIF-1を誘導するのかを検討する予定である。また不死化子宮内膜上皮細胞における上皮間葉転換関連の遺伝子産物の発現確認と運動能の検定や、子宮鏡検査等で慢性子宮内膜炎と診断された不妊症患者さんの子宮内膜細胞においても同様の現象が起こっているのかを検討したい。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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