2020 Fiscal Year Research-status Report
B7H3 as a promising therapeutic target for endometrial cancer
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19K09769
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井平 圭 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (50813820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
董 培新 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (50602504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / B7H3 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、体癌患者の手術組織切片から、癌と周辺正常組織を選択的に採取し、total RNAを抽出した。Agilent miRNA microarrayと次世代シーケンス解析を用い、網羅的な発現解析により、体癌進展に関与する複数のmiRNA、長鎖非翻訳RNAと遺伝子を同定した。定量PCRで、そのmiRNA、長鎖非翻訳RNAと遺伝子発現の変動を確認した。我々の研究室で、体癌細胞から独自に樹立された高浸潤性亜株また癌幹細胞様sphere細胞と親株を用いて、miRNA、長鎖非翻訳RNA及び遺伝子の発現を比較することで、高浸潤性亜細胞株また癌幹細胞様sphere細胞で、特異的に発現量が変動するmiRNA、長鎖非翻訳RNA及び遺伝子を同定した。体癌の進展と癌幹細胞性の形成に関与する複数のmiRNA、長鎖非翻訳RNA及び複数の癌関連遺伝子を候補として発見した。そしてB7H3 mRNAの3-非翻訳領域を直接に標的するmiRNA群をin silicoで予測した。その結果、miR-199aなどの発現低下により、B7H3遺伝子の発現が生じることが明らかになった。発見した候補miRNAと照合し、miR-199aなどを最終的に同定した。続いてluciferase reporter assayを行い、miR-199aがB7H3の3-非翻訳領域に直接結合することで、B7H3遺伝子の発現を抑えることを証明した。長鎖非翻訳RNA候補であるTMPO-AS1の発現を変動させ、B7H3発現をWestern blot法で検討し、B7H3を制御するTMPO-AS1を同定した。miR-199a及びTMPO-AS1の機能を細胞アッセイにより解析した。TMPO-AS1がmiR-199aの発現を抑えることで、B7H3の発現を増加させ、EMTが誘導され、子宮体癌の進展と抗癌剤耐性が促進される分子機序を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、体癌細胞におけるB7H3遺伝子の発現制御に関与するmiR-199a及びTMPO-AS1を同定した。TMPO-AS1はmiR-199aを介して、B7H3発現を増加する可能性も明らかとなった。これは研究計画通りの成果であり、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
B7H3発現制御に関わる上流経路の解明を更に行う。miR-26aはCTDSPL遺伝子のイントロンから転写されることが報告された。我々独自の解析では、CTDSPLは体癌細胞の浸潤を抑制し、またCTDSPLの発現が体癌で低下することから、CTDSPLはmiR-26aを介して、B7H3を発現低下させると予測できる。miR-26aによるB7H3の発現制御について検討する。また、CTDSPL発現の調節機構について、ゲノム変異と欠失を次世代シーケンスで解明する。塩基配列の異常のみならず、DNAメチル化などのepigenetic的な制御についても考慮する。体癌組織を用いて、CTDSPL遺伝子のメチル化状態を次世代シーケンスで検出する。miRNAによるCTDSPL発現制御に関しては、miR-181によるCTDSPLとB7H3発現の制御を分子レベルの実験で解明する。
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