2021 Fiscal Year Research-status Report
出生三世代コホートによる常位胎盤早期剥離の遺伝・環境要因の究明
Project/Area Number |
19K09771
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉片 三千代 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10722580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 準一 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60280880)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 常位胎盤早期はく離 / ゲノム / ゲノムワイド関連解析 / SNPアレイ / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
常位胎盤早期剥離(PA: Placental Abruption)は、全妊娠の0.4-1.0%に発症し、遺伝・環境因子が複雑に関与する多因子疾患であるが、いまだ明確な原因は不明である。喫煙、若年・高齢妊娠、妊娠高血圧腎症(PE:Preeclampsia)合併、PAの既往などの多くのリスク因子が報告されているが、人種/民族差も大きいことが知られている。我が国においては、本疾患に関連する大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS: Genome Wide Association Study) の報告はなく、遺伝的要因の究明が求められている。本研究は、世界的にもユニークな大規模出生三世代コホートの検体・情報(妊婦22,493名の登録)を用い、日本人のゲノム解析に最適化されたジャポニカアレイによる、妊産婦(母)・父・児の複雑な遺伝効果を考慮に入れたゲノムワイド関連解析(EMIM/PREMIM, BMC Bioinformatics 2012) を行う。具体的には、これまで報告された疾患感受性遺伝子変異の日本人PAにおける妥当性の検証を行い、さらに新規のゲノム変異の探索を行う。加えて、これらのゲノム変異情報に、疾患に有意に関連する血漿メタボローム解析情報、疫学的情報を加えることで、疾患発症予測式の構築を目指す。 2021年度は、データクリーニングを完了、PAのPhenotypeの確認・検証を行い、解析対象妊婦の選択が終了した。対象症例のジャポニカアレイ解析は完了しており、さらに血漿メタボローム解析を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点まで、コホート参加者の臨床情報から解析対象妊婦(PA 100名、対照200名)の選択が進み、発症予測式に用いる血漿メタボローム解析が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で、研究者に移動がままならず、オンラインの打ち合わせ定期的に行うことで進捗管理を徹底し、メタボローム解析情報と疾患罹患情報との関連解析や、発症予測式構築を進める。
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Causes of Carryover |
昨年度同様、コロナ感染症の拡大により、研究者の移動制限等もあり行う予定であった、メタボローム情報と調査票情報、疾患罹患情報との関連解析に若干の遅延を生じた。 2022年度は、これらの遅れを解消すべく、繰り越しされた予算を血漿メタボローム関連解析に充当する。
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