2019 Fiscal Year Research-status Report
胎児由来mRNA/microRNAの機能解析とその臨床的意義に関する研究
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19K09782
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永田 愛 (東島愛) 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00549595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00363490)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胎児機能 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の産科臨床で用いられている検査法では、羊水を用いて胎児肺成熟度を評価することはできるが、胎児神経系や胎児消化管など、肺以外の胎児機能の成熟度を評価することは難しい。また、胎児心機能は、超音波ドプラ法を用いた胎児心血管系の評価により行われるが、その精度は胎児超音波検査を担当する医療者の熟達度によるところが大きい。一方、胎児神経、内分泌代謝や消化管などの臓器の発達・成熟度などの胎児機能が出生前に正確に評価が可能になれば、より詳細な胎児モニタリングが可能になり、周産期医療の向上に寄与するばかりか、子宮内での胎児機能確立のメカニズム解明に大いに貢献すると期待される。本研究では、母体を通じて得られる胎児の分子情報(羊水あるいは母体血中に浮遊する羊膜、胎児、羊水細胞それぞれに由来するmRNA/miRNA)に着目し、妊娠経過に伴う胎児成熟の分子病態解明に迫り、羊水検査ならびに母体の血液検査による総合的な胎児機能評価法の確立を目指すものである。まず、羊膜、胎児ならびに羊水特異的mRNA/miRNAを同定するため、羊膜、胎児ならびに羊水特異的mRNAの同定:妊娠中期に羊水検査を受けた例(妊娠15-16週)ならびに妊娠中期(妊娠26-28週)~後期(妊娠37-38週) に帝王切開を受けた例(破膜前に羊膜を穿刺して羊水を採取しえたもの)を対象とし、羊水細胞およびEDTA t ubesで採血した血液細胞からmRNAを抽出する予定である。現在検体収集を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
周産期医療施設の拡充により、妊娠中期の分娩も取り扱うようになったが、症例数が依然として少ない事や、妊娠中期の羊水、臍帯血の採取が困難な場合が多いなどの理由により検体収集に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠後期の検体週数は順調に進んでいる。妊娠中期の検体収集を引き続き進め、目的とするmRNA/miRNAの選定に進んでいく。
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Causes of Carryover |
(理由) 令和元年度は、収集した検体からmRNA/miRNAを抽出するため、RNA抽出キットにかかる経費がほとんどであった。当初予定していた、目的とする胎児特異的mRNA/miRNAの解析は令和2年度に行うため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 令和2年度は、次世代シークエンス解析や、リアルタイムPCRを用いて目的とする胎児特異的mRNA/miRNAの解析を行う。さらに、胎児機能と関連する分子マーカーセットを用いた胎児機能検査法の臨床的意義について検討予定である。
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