2019 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧症候群の胎盤形成におけるインプリンティング遺伝子の関与
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19K09783
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
常見 泰平 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20599831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
佐道 俊幸 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (50275335)
竹田 善紀 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50825239)
中野 和俊 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70805879)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / インプリント遺伝子 / MEG / PEG |
Outline of Annual Research Achievements |
HDP胎盤組織で過剰発現あるいは低下する遺伝子群(differentially expressed genes, DEG)を探索した結果、140個のHDP疾患感受性遺伝子を同定した。オントロジー解析によりこの遺伝子は脱落膜化、胎盤形成、低酸素、血管新生、細胞浸潤などに関連する遺伝子であった。HDP疾患感受性遺伝子のパスウエイ解析の結果、140個のHDP疾患感受性遺伝子のうち、110遺伝子 (78.6%)は絨毛細胞の浸潤に有利に進化した遺伝子で胎盤や胎児の成長を促進する遺伝子群と30遺伝子(21.4%)は絨毛細胞の浸潤を抑制し胎盤や胎児の成長を抑制する為に進化した遺伝子群とに細分類することができた。HDP疾患感受性遺伝子の上位35個を染色体上にマッピングしたところ、これらの遺伝子の分布はランダムではなくクラスターを形成していることを発見した。SequenceデータベースからHDP疾患感受性遺伝子を染色体地図上に重ね合わせることにより、インプリント遺伝子領域プロモータやエクソン内に疾患感受性遺伝子が存在するかどうか解析を進めている。また、早発型、遅発型、軽症型、重症などに分けてそれぞれのHDP胎盤についてインプリント遺伝子、HDP疾患感受性遺伝子蛋白発現について検討するための胎盤検体の収集を進めた。現在50例近くのHDP症例の胎盤検体を収集することができ、免疫組織学的検索を進める準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に使用するHDP胎盤検体の収集は進んでいたが、コントロールとなる正常かつ同週数の胎盤の収集が思いの外進まず実験進行に支障をきたしているため。
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Strategy for Future Research Activity |
徐々にコントロールとなる正常、同週数胎盤検体の収集も進んできているため、それらを利用しインプリント遺伝子のメチル化をHDP胎盤組織と正常胎盤組織で解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
胎盤検体収集に難渋していたため当初購入予定であった免疫組織染色、ウエスタンブロット、ELISAの使用物品の購入が少なかったため。また、旅費・学会費が発生しなかったため。
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