2019 Fiscal Year Research-status Report
Genetic alteration from in-vitro culture environment in mammalian offspring born through in vitro fertilization
Project/Area Number |
19K09787
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
久慈 直昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (80169987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹岡 俊邦 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50222005)
阿久津 英憲 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生殖医療研究部, 部長 (50347225)
山中 紋奈 東京医科大学, 医学部, 助教 (60838689) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オクタン酸 / 体外受精 / 体外培養 / 胎仔 / 体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト体外受精(凍結胚移植)では、自然妊娠で生まれた子どもに比べて児の出生体重が平均で70-150g、増加することが知られている。この機序について明確なことはわかっていないが、少なくとも出生体重でみる限り現在の体外受精法では、自然妊娠とはわずかではあるが異なった胚発育が起こっていることが強く示唆される。体外受精がますます子どもをつくる方法として普及していく現在、この影響が子どものその後の発育にどのように影響するか、また精神運動発達への影響がないかなどについて、世界中で生まれた子どもの予後調査が精力的に行われている。 一方ほぼ全てのヒト体外受精培養液中に高濃度で含まれるオクタン酸は、マウス体外培養で産仔出生体重変化、あるいは胎盤重量変化を来すことが報告されている。本研究ではマウス胚への培養時オクタン酸暴露モデルを用いて、胚盤胞までの初期胚培養環境(高濃度オクタン酸)が産仔(F1)・および産仔の子ども(F2)世代に与える遺伝学的影響を、1)産仔の発育・発達、2)遺伝子発現解析、3)遺伝子メチル化解析から解析する。 そこで本年度、まず1200uMまでの濃度でオクタン酸添加による胚発生率の違いが最小になる培養液組成を検討した。凍結融解マウス1細胞期胚を用いた検討では、Ibuki 1.0%に添加するオクタン酸濃度0%(対照)、400uM、800uM、1200uMではそれぞれ胚盤胞発生率は53%、27%、27%、13%と明らかにオクタン酸添加群で低い発生率であった。一方オクタン酸を含まない培養液において、新鮮胚を用いて検討したところ、Ibuki 0.1%とIbuki 1.0%で1細胞期胚の胚盤胞発生率に82.5%と55.0%と明らかな差が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
体外受精法で用いられるヒト胚培養液に添加されるアルブミンは、ウイルスなどの病原微生物の混入を避けるため通常加熱滅菌されるが、そのときに起こるタンパク質の加熱変性を防ぐためオクタン酸が用いられる。今年度、オクタン酸の添加法をヒト胚培養液添加のアルブミンで用いられる方法とできるだけ近くするために、大容量の加熱滅菌法を改良して小さなlotで同様にオクタン酸を加える方法を開発した。この開発に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験系は確立しているので、2020年度、0.1%から1.0%まで、どの程度の濃度がオクタン酸添加の影響を最小にするかを検討する。さらにその至適濃度が決定されれば、移植実験にて異なったオクタン酸濃度に曝露された胚に由来するマウスの出生体重、出生後の発育検討に入ることが出来る。ヒト胚培養液で用いられている遺伝子組み換えHA濃度は0.5%程度であるが、もし既に検討している0.1%濃度において発生率が最も高いようであればその原因を合わせて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
「7.現在までの進捗状況(2) 理由」で示したとおり、至適実験区の確立に遅れが出ているため、当初2019年度中に移植実験までを行う予定であったが完遂できなかった。これには、3月からのコロナウイルス感染拡大も関与しているが、このため今年度予算を予定通り執行できず、来年度への繰り越しが生じた。
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