2021 Fiscal Year Annual Research Report
閉経後の高脂肪食に対する食物依存性の形成と大豆たんぱく質による抑制
Project/Area Number |
19K09789
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
小宇田 智子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (30391098)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高脂肪食 / 閉経 / 嗜好性 / ゲニステイン / ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は大豆由来イソフラボンの摂食が、閉経後の高脂肪食に対する嗜好性の高まりを減弱させるかどうかを検討した。 卵巣摘出した閉経モデルマウスに高脂肪食を30週間摂食させた (OVX-HFD)。また、高脂肪食と同時にゲニステイン高含有大豆由来抽出物を2%(w/w)あるいは4%(w/w)添加した飼料を同期間摂食させ (OVX-HFD-2G, OVX-HFD-4G)、行動学的試験により高脂肪食への嗜好性について検討した。対照群は低脂肪食を摂食させた偽手術マウスとした (Cont)。行動学的試験は明暗ボックスで実施した。明ボックスには高脂肪食、暗ボックスには低脂肪食を設置し、それぞれ3日間ずつ、計6日間条件付けし、明暗ボックスそれぞれの運動量、立ち上がり回数および滞在時間を測定し、高脂肪食への嗜好性について測定した。マウスは暗い場所を好むため、通常は暗ボックスの滞在時間等が明ボックスに比べて長くなる。また、嗜好性について神経学的変化を検討するために、組織学的な検討を行った。 条件付け前の明ボックスの滞在時間は、全群で有意差はみられなかったが、条件付け後の明ボックスの滞在時間はContと比較してOVX-HFDで長くなる傾向がみられ、OVX-HFD-2GおよびOVX-HFD-4GはOVX-HFDに比べて有意に短くなった。また暗ボックスにおける運動量と立ち上がり回数は、ContとOVX-HFD-4Gでは条件付け前に比べて条件付け後で有意な増加がみられたが、OVX-HFDおよびOVX-HFD-2Gでは差がみられなかった。これらのことから、閉経後の高脂肪食の摂食は、行動学的に高脂肪食への嗜好性の高まりがみられ、ゲニステインの摂食はそれを抑制する可能性が示唆された。また、側坐核におけるドーパミン受容体の発現について、組織学的に検討したところ、HFDと比べてGCP摂食群では少ない傾向がみられた。
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