2019 Fiscal Year Research-status Report
レクチンを用いた子宮内膜症発症を制御する糖鎖構造の解明
Project/Area Number |
19K09802
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 香映 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90612078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 健二郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00452392)
小玉 美智子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70791391)
松本 有里 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (90756488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レクチン / 子宮内膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画ではレクチンマイクロアレイを行うにあたり、正常子宮内膜組織3検体、子宮内膜症罹患症例の正所性子宮内膜5検体を用いて検討を行う予定であったが、予備実験段階にて組織そのものでは子宮内膜上皮細胞、子宮内膜間質細胞、子宮筋層が含まれ、またそれぞれの組織の含有率を揃えることも困難であることから、子宮内膜間質細胞および子宮内膜上皮細胞をそれぞれ初代培養を行なってからレクチンマイクロアレイにて比較検討を行うこととした。子宮内膜間質細胞はこれまでにも初代培養に取り組んでおり、技術的にも確立しているが、上皮細胞については間質細胞・血球細胞の混入の程度、継代数などの検討が不十分であったため、まず上皮細胞の初代培養から検討を開始した。子宮内膜上皮細胞および間質細胞はインフォームドコンセントをえた上で良性腫瘍にて子宮を摘出した正常子宮より子宮内膜を採取する。子宮筋腫などの手術前に使用されるGnRHアナログ、GnRHアゴニスト、子宮内膜症で使用するジエノゲストなどを使用していた場合、これまでの検討において子宮内膜間質細胞の細胞増殖が不良となり十分な細胞量が採取できないことが判明している。子宮内膜上皮細胞においても、これらの薬剤を使用していた子宮から採取した子宮内膜では分離できる細胞数が少なく、増殖も遅い結果であった。継代数については子宮内膜上皮細胞は継代数3までは子宮内膜上皮細胞としての性質を維持していることが免疫染色にて確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では子宮内膜症の発生母地が正所性子宮内膜にあるとの仮説に基づいている。研究のためのサンプルは良性疾患にて子宮を摘出した子宮内膜症患者の子宮内膜から得ているが、大学病院である性質上、良性腫瘍手術そのものが少なく、さらに子宮内膜症が存在してかつ子宮も摘出する症例、さらにGnRHアナログ、GnRHアゴニスト、ジエノゲストなど子宮内膜細胞の状態に影響を与える薬剤を使用していない症例が本年度は特に少なく、サンプルの確保に難渋しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では当院にて手術を行った臨床検体より、検体採取を行うこととしていたが、研究協力機関での手術検体も用いることができるように倫理委員会に修正申請を行なう予定である。また当該医療機関においても同様に倫理委員会に検体研究目的での提供について審議を依頼している。 過去におこなってきた子宮内膜症研究の際に正所性子宮内膜間質細胞の初代培養細胞、細胞上澄などを凍結保存している。臨床検体の採取が困難な場合はこれらを用いてレクチンマイクロアレイを行う。
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