The endocrinological contribution to the novel strategy of endometrial cancer

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K09805
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 齋藤 文誉 熊本大学, 病院, 助教 (20555742)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田代 浩徳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70304996) ; 片渕 秀隆 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 名誉教授 (90224451)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 子宮内膜癌 / 内分泌学的因子 / プロラクチン

Outline of Annual Research Achievements

高PRL血症のみを有する群(高PRL群)、肥満とインスリン抵抗性(HOMA-IR＞2.5)のみを有する群(肥満群)、リンチ症候群関連腫瘍の家族歴のみを有する群(遺伝関連群)の3群を抽出し、臨床病理学的に比較を行った結果、3群間に臨床病理組織学的な相違は認められなかった。さらに、3群で、PRL受容体(PRLR)、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、PTENの発現を免疫組織化学的に評価し、各群における病態の相違を検討した結果、高PRL群では他の2群と比較してPTEN変異の頻度が有意に低かった。この結果から、高PRL血症を有する子宮内膜癌では、I型の子宮内膜癌と同様の臨床像を呈する一方で、分子生物学的には異なる発癌機構を有している可能性が示唆された。
当施設で施行したMPA療法について、MPAの奏効率および治療後の再燃に関与する内分泌学的因子の抽出を行いさらに、それらが子宮内膜癌症例の転帰に与える影響について検討を行った。その結果、インスリン抵抗性を有する症例ではMPA療法が奏効しにくいが、メトホルミンを併用することで奏効率が上がる可能性が示唆された。また、高PRL血症を有する若年子宮内膜癌症例では、MPA療法後の再燃が少なく、カベルコリンによる管理を継続することでよりよい転帰が期待できることが示された。
基礎研究では、子宮内膜類内膜癌G1細胞株(Ishikawa細胞)を用いてPRL曝露後のPRL受容体の下流シグナルの解析を行った。その結果、PRLによるMAPKを介した子宮内膜癌の発癌機構をin vitroで証明した。