2021 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌へのHPMA-ZnPPを用いた光線力学的治療の臨床応用に向けた検討
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19K09806
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
簗詰 伸太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40623343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
方 軍 崇城大学, 薬学部, 准教授 (20412736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HPMA-ZnPP / 高分子ポリマー / ナノメディスン |
Outline of Annual Research Achievements |
光線力学的治療(PDT)は、光感受性物質と光照射による侵襲の少ない癌治療法であり、光線過敏症の副作用の問題があった。また、難治性がんに用いるには効果的な活性酸素の発生を含めた抗がん活性の改善及び腫瘍選択的な投与が重要な課題であった。亜鉛プロトポルフィリン(ZnPP)は、従来の光増感剤(フォトフィリンなど)での光化学反応による活性酸素(ROS)を生成し抗腫瘍効果を示す機序に加えて、HO-1を阻害する。HO-1はヘム代謝の重要な酵素であり分解産物ビリルビンや一酸化炭素(CO)が抗酸化、抗アポトーシス作用を有する。HO-1は多くの腫瘍に高発現している抗酸化保護システムであり癌細胞はさらにこの光化学反応によるROSに対する感度が高くなる。すなわち、ZnPPは光増感剤としてROSを産生し抗がん作用を発揮する一方、HO-1阻害作用による腫瘍の抗酸化防御を破綻させ相乗的に腫瘍特異的に細胞毒性を発揮する。取り込み実験などの条件検討を終えて、プロトコル作成といった実験準備を完了し平成31年度はHPMA-ZnPPの腫瘍細胞での抗腫瘍効果を明らかにした(In vitro評価)。婦人科がん細胞(耐性再発卵巣癌細胞株、子宮肉腫、Hela)の生存率をMTT法で測定しZnPPに較べ高い抗腫瘍効果を認め、さらに光照射による細胞毒性増強作用を認めた。HPMA-ZnPPが癌細胞膜のトランスポーター機能により高率に癌細胞内に取り込まれることを当研究室が樹立した耐性再発卵巣癌細胞株と、入手した子宮平滑筋肉腫などの樹立細胞株、Hela細胞にて検証を行った。本年度は、婦人科がん細胞(耐性再発卵巣癌細胞株、子宮肉腫、Hela)のマウスの皮下移植モデルを用いてin vivoでの検討を行った。
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Research Products
(4 results)