2020 Fiscal Year Research-status Report
母体血中の細胞外小胞による妊娠高血圧腎症の予知法と発症関連蛋白に関する研究
Project/Area Number |
19K09810
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 寛正 自治医科大学, 医学部, 講師 (90406116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 教授 (10306136)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エクソソーム / 妊娠高血圧症候群 / 超遠心法 / 正常妊婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は4種類のエクソソーム精製キット((A. 血漿/血清用エクソソーム精製キット、Norgen Bootek Corp.、B. エクソソーム単離キット EXP-Prep、HansaBio社、C. exoEasy Maxi Kit、QIAGEN社、D.ExoQuick ULTRA,SBI社)を用いて、エクソソームの分離精製を行い、妊娠中期(20~24週)の正常妊婦の血漿保存試料で、nano tracking analysisのMalvern CompanyのNanoSightを用いて総エクソソームの粒子サイズならびに粒子数を測定し、CD63 ELISAキットを用いて総エクソソーム濃度を測定したが、キットにより精製される粒子サイズ、エクソソーム濃度に差が大きくあり精度に問題があると判断した。 このため本年度はこれまでエクソソーム精製のスタンダードてある超遠心法でエクソソームを分離精製し、粒子サイズならびに粒子数を測定し、ELISAキットを用いて総エクソソーム濃度を測定した。超遠心法で精製されたエクソソームはサイズと粒子数がある程度一定になるよう精製することができた。また、妊娠中期(20~24週)と妊娠後期(妊娠28週~31週)の正常妊婦と妊娠高血圧症候群妊婦の血漿保存試料を用いて同様に超遠心法でエクソソームを精製したところ、正常妊婦に比べ妊娠高血圧症候群妊婦の方が総エクソソーム量が有意差を持って多いことがわかった。 現在、妊娠初期並びに妊娠34~38週の正常妊婦と妊娠高血圧症候群妊婦の血漿保存試料を用いて、超遠心法でエクソソームを分離精製し総エクソソーム濃度を測定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精製キットの選出ができていないことが一番の研究が遅れている理由である。現在超遠心法で、正常妊婦と妊娠高血圧症候群妊婦における総エクソソーム量の差を評価している。まず、超遠心法で妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期での総エクソソーム量のこの2群での差を求め、その結果が各精製キットで精製した総エクソソーム量の結果のいずれかと一番類似しているか評価することが大切と考えている。現在、超遠心法での評価の最中であり、その分進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、妊娠初期並びに妊娠34~38週の正常妊婦と妊娠高血圧症候群妊婦の血漿保存試料を用いて、超遠心法でエクソソームを分離精製しCD63 ELISAキットを用いて総エクソソーム濃度を測定中である。 その後、正常妊婦の妊娠中期(20~24週)の保存試料を用いた各精製キットの総エクソソーム量が超遠心法と類似している精製キットを選出する。さらに妊娠初期、中期、後期前半、後期後半の正常妊婦の保存試料を用いて、選出したキットで精製し、総エクソソーム濃度を測定し、超遠心法とその結果が類似しているか確認する。さらには妊娠高血圧症候群妊婦のの保存試料を用いて選出したキットで精製し、総エクソソーム濃度を測定し、超遠心法と結果が類似しているか確認する。 また胎盤アルカリホスファターゼELISAキットを用いて胎盤由来エクソソーム濃度を定量化し、、胎盤由来エクソソームが妊娠初期から後期にかけて増加するかどうかを確認する。また、週数別の胎盤由来エクソソーム濃度の基準値を作成する。
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Causes of Carryover |
超遠心法で精製を行っており、超遠心法に関わる物品費に使用したが、この精製法による測定に時間がかっかてしまったため、CD63ELISAキットの購入が少なかった。また精製キットの選出に関わる各精製キット、CD63ELISAキットと胎盤アルカリホスファターゼELISAキットの購入をしなかった。このため次年度使用額が生じた。 現在、妊娠初期並びに妊娠34~38週の正常妊婦と妊娠高血圧症候群妊婦の血漿保存試料を用いて、超遠心法でエクソソームを分離精製しCD63 ELISAキットを用いて総エクソソーム濃度を測定し超遠心法による妊娠中のエクソソーム量について評価する。この結果を基に、超遠心法の結果に近い精製キットを選出し、妊娠初期、中期、後期前半、後期後半の正常妊婦の保存試料を用いて、選出したキットで精製し、総エクソソーム濃度を測定する。さらには妊娠高血圧症候群妊婦のの保存試料を用いて選出したキットで精製し、総エクソソーム濃度を測定し、超遠心法と結果が類似しているか確認する。 また胎盤アルカリホスファターゼELISAキットを用いて胎盤由来エクソソーム濃度を定量化し、、胎盤由来エクソソームが妊娠初期から後期にかけて増加するかどうかを確認する。また、週数別の胎盤由来エクソソーム濃度の基準値を作成する。
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