2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規インドール化合物MA-5による難治不妊の克服を目指した研究
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19K09819
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 尚美 東北大学, 大学病院, 講師 (20595558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
香川 慶輝 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30728887)
立花 眞仁 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30431571)
渡邉 善 東北大学, 大学病院, 講師 (40722567)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生殖医学 / 精子 / 卵子 / 胚 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はマウスにおいては、IVM卵のATP測定とIVM卵のIVFによる受精率、胚盤胞率を検討した。DMSO添加GV卵子を対照とし、700nM FCCP添加、700nM FCCP +10μM MA-5添加区におけるIVM成熟卵、22個、19個、20個に対して、ATP測定を行って、その平均値を比較検討したが、統計学的な有意差を認めなかった。IVM卵の700nM FCCP添加、700nM FCCP +10μM MA-5添加区における胚盤胞発生率を検討したが、受精率は3群で差を認めず、胚盤胞発生率は700nM FCCP添加群(64.7%)において、 対照(21.1%)と700nM FCCP +10μM MA-5添加区(50%)と比較して高い傾向を示したが、統計学的有意差をみとめなかった。 ヒト精子ではCASAによる運動解析とATP測定を行った。CASAによる精子運動の解析では、5検体を供試したが、MA-5添加による鞭毛運動への有意な変化は認めなかった。また、ATP濃度変化へのMA-5の効果は、ヒト精子では8検体を供試したが、いずれの時間経過でも、MA-5添加によるATP量、および対数増加率は有意差を認めない結果となった。 MA-5はマウス精子においてAPT濃度の維持や、マウス胚盤胞期胚におけるATP産生の増加に寄与することが明らかとなった。しかしながら、マウスにおいてミトコンドリア脱共益剤によるミトコンドリア阻害のレスキュー効果、受精率、胚盤胞率、卵子成熟率などへの寄与は認められなかった。ヒト精子においては、ATP濃度の維持効果や、運動能への影響はみとめず、Hemizona assayにて若干の結合能の向上がみとめられ、受精率の向上が示唆されたが、有意差は認めなかった。なお、MA-5による明確な受精率や胚盤胞率の向上が確認できなかったため、胚移植による次世代の検証には至らなかった。
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