2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathogenesis of endometriosis based on the integrated OMICS data analyses
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19K09822
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉原 弘祐 新潟大学, 医歯学系, 研究准教授 (40547535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ上 逸朗 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (00192500)
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90283754)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / ゲノム / 癌関連遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、正常子宮内膜から子宮内膜症への連続的OMICSデータの統合解析と正常オルガノイドを用いた機能解析を組み合わせることで、子宮内膜症発症の原因となるゲノム・エピゲノム異常を同定し、発症メカニズムを解明することを目的とした。 研究3年目は、子宮内膜症における癌関連遺伝子変異の意義を再考するために、発生起源である子宮内膜での癌関連遺伝子変異に注目した。20歳から60歳までの年齢を対象として、1症例あたり10本以上の腺管を分離し、単一腺管シークエンスデータを取得した。年齢・月経回数・分娩回数・喫煙歴などの臨床情報とゲノム情報との相関を検討した。また、腺管を採取した子宮内膜の位置情報とゲノム情報を紐付けすることで、子宮内腔におけるゲノム異常がどのように広がるのかを検証した。32症例より891本の腺管(1症例あたり平均27.8±14.6本)を収集し、単一腺管シークエンスを実施したところ、癌遺伝子であるPIK3CAとKRASの体細胞変異をそれぞれ15.6%と10.9%で認めた。次に、遺伝子変異量と臨床病理学的因子で関連解析を行ったところ、遺伝子変異量は年齢(r = 0.79, p = 7.5 x 10-8)と累積月経回数(r = 0.81, p = 2.4 x 10-8)と強い正の相関があることを明らかにした。子宮内膜における癌関連遺伝子変異の空間的評価を行うために、摘出子宮から20x30mmの子宮内膜全層を採取し、5x5mmの区域に分割した。各区域から5本ずつ腺管を分離してシークエンスを行った。その結果、隣接した複数の区域で共通する癌関連遺伝子変異を有する腺管を同定した。
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