2021 Fiscal Year Annual Research Report
デュアルエネルギーC T を用いた羊水塞栓子描出の研究
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19K09824
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Research Institution | Kanmon medical center |
Principal Investigator |
岡田 宗正 独立行政法人国立病院機構関門医療センター(臨床研究部), 放射線科, 生活習慣病対策研究室長 (70380003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 克能 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00274168)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | postpartum dyspnea / amniotic fluid embolism / dual-energy CT / lung iodine mapping |
Outline of Annual Research Achievements |
出産後早期(48時間以内)に発症した呼吸困難(羊水塞栓疑い: AFE群)患者さんをdual-energy CT(DECT)で撮影し、同年齢の女性で出産とは無関係で肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism: PTE)が疑われる患者さんのDECT画像と比較した。造影CTにてPTEの有無により、PTE群及び非PTE群とし、AFE群を加えたの3群間でDECTにより得られる肺ヨードマッピング(LIM)値やLIMの欠損パターンについて検討した。 肺動脈内血栓や何らかの肺動脈灌流障害が生じれば、LIMは局所的に低値を呈するため、低灌流域をLIM5(1~5HU)と定義して検討を行った。LIM5の定量値は、PTE群>AFE群>非PTE群でLIMの低下が認められた。肺実質のヨード分布を反映したDECT画像では、PTE群では肺動脈内血栓に一致した楔状の欠損が認められ、AFE群ではgranular/patchyな欠損の割合が高く特徴的であった。非PTE群では、肺実質に均等なヨード分布が認められた。 出産後早期に呼吸困難を訴える患者さんでは、通常の肺血栓塞栓症が認められない場合であっても、肺循環に微細な羊水塞栓子が存在する可能性があり、これらによる肺毛細血管レベルでの灌流障害がDECTを用いることで描出できる可能性がある。造影single-energy CTでは肺動脈内血栓の有無のみしか評価できなかったが、造影dual-energy CTを用いることで、肺胞レベルのLIMを評価することで、新たな肺胞レベルの造影剤不均衡を画像化することで、通常のsingle-energy CTでは得られない、新たな知見が各種疾患に応用可能でとなる。
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