2021 Fiscal Year Annual Research Report
Danger Signal抑制によるHDP悪化遅延と新生児周産期予後の改善
Project/Area Number |
19K09829
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
成瀬 勝彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70453165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常見 泰平 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20599831)
竹田 善紀 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50825239)
中野 和俊 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70805879)
赤坂 珠理晃 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90526724)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧腎症 / 妊娠高血圧症候群 / Danger signal / 常位胎盤早期剥離 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症候群(HDP)は妊娠初期の胎盤着床不全に端を発し、児に対しては胎児発育不全(FGR)や常位胎盤早期剥離といった重篤な異常をもたらして胎児死亡や脳性麻痺発症の主な原因となるほか、母体に対しては脳卒中や子癇発作、腎不全や生涯にわたるメタボリックシンドロムの原因となる。発症予知やハイリスク群の発症予防に関する検討が近年進められているが、その治療については未だに決定的なものがない。 申請者らは着床不全の絨毛細胞や炎症状態にある脂肪組織が発現する劇的な炎症惹起因子Danger SignalがHDPの発症と病態に強く関連することを、これまでの多くの症例を用いた検討から明らかにしてきた。本研究ではそのターゲットを新生児の周産期予後改善に絞る。HDPに関連した早産が全ての早産の中で最も重篤な脳性麻痺のリスクとなることが近年明らかになってきたからであり、その予後を直接的に改善する方法がほとんど検討されていないからである。基礎的研究や患者由来検体を用いてHDPでのDanger Signalの知見を発展させることを目的として研究を進めている。研究分担者による脂肪組織培養における炎症惹起と抑制に関する論文が期間中に発表されたほか、代表者は期間中にその背景となる妊娠高血圧症候群の病型と常位胎盤早期剥離との関連についてビッグデータを用いて証明し、また日本腎臓学会での教育講演の機会も得た。一方、基礎的研究についてはCOVID禍による臨床のエフォートにより進捗が遅れており、2022年4月より代表者が異動した先でも研究が続行される。
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