2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of insulin-like growth factor-1 and vitamin D on age-related olfactory dysfunction
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19K09841
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上羽 瑠美 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10597131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 悟史 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (00447385)
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40334370)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 嗅覚障害 / 加齢 / IGF-1 / VitD / 嗅神経上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
重要な五感の一つである嗅覚は加齢に伴って低下し,QOLを著しく低下させるが,加齢性嗅覚障害に対する確立した治療方法はない.本研究は,加齢性嗅覚障害の機序に関するこれまでの研究結果をもとに,IGF-1に着目し,臨床応用に向けた治療法を確立することを目的とする.さらに,ビタミンD併用によるIGF-1効果増強を嗅神経上皮において検証し,臨床応用を目指すものである. 初年度は加齢マウス嗅神経上皮へのIGF-1投与の効果・至適濃度を検証した.C57BL/6マウス(16月齢、オス)に対し、rhIGF-1(recombinant human IGF-1:低濃度20μg/kg、高濃度200μg/kg)を週3回、計24回皮下投与し、Control群には生理食塩水を投与しモデルを作成した。各モデルの嗅上皮における成熟嗅神経細胞、嗅覚前駆細胞、未熟嗅神経細胞、分裂細胞、アポトーシス細胞について組織学的に比較検証した。その結果、低用量rhIGF-1はアポトーシス細胞を増加させる一方で、嗅覚前駆細胞、未熟嗅神経細胞をも増加させ、相対的に成熟嗅神経細胞の増加を誘導した。一方、高用量rhIGF-1は未熟嗅神経細胞を増加させるものの、アポトーシス細胞を著明に増加させ、結果として成熟嗅神経細胞の数は変化しなかった。この結果より,加齢モデルに対する低用量IGF-1投与が嗅神経上皮細胞数を増加させ、嗅覚向上に効果がある可能性が示唆された。 次年度に向けて,VitD投与加齢マウスの作成を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果を論文にまとめることができ、次年度に向けた加齢動物の作成も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
VitD投与による加齢動物の嗅神経上皮への効果を検証する。さらに、VitD投与とIGF-1投与による骨髄や脾臓、胸腺などの造血・免疫組織への影響も同時に検証する予定である。
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Causes of Carryover |
加齢動物の作成が予定通り進んでいる。次年度はフローサイトメトリーや遺伝子解析を含む分子生物学的解析を予定しており、高額の研究費が必要となる見込みである。
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Research Products
(7 results)