2019 Fiscal Year Research-status Report
中耳真珠腫の破骨細胞を介した骨破壊を標的とする保存的治療薬の開発
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19K09844
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大島 一男 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80832930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 有美 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00598401)
佐藤 崇 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30756002)
今井 貴夫 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80570663)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 真珠腫性中耳炎 / 中耳真珠腫 / RANKL / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
中耳真珠腫の患者由来の検体を用いての単細胞シーケンスを2019年12月に第一回目を施行し、細胞種の分布についての解析を行い、コントロールの組織である正常皮膚と比較して上昇している分子をリストアップした。そのうち、骨破壊に関連の深い分子を用いてin vitroでの検証実験を施行予定である。破骨細胞の分化誘導因子であるRANKLを上昇させるものを中心にさらに詳細な機能解析を予定している。
皮下真珠腫マウスモデルについては現在作成中である。
現在は新コロナウイルス感染症のため緊急手術以外の手術が中止されており、手術検体が得られない状況のため、2回目、3回目のシーケンスの施行を保留中であるが、再開され次第、最大3回目までの施行を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の目標として、真珠腫性中耳炎の骨破壊のメカニズムの根幹をなす分子の同定を視野に入れていたが、単分子シーケンスにより複数の有力な分子(新規の分子を含む)をリストアップできており、今後の検証実験へと駒を進めていくことができる状況である。 新コロナによる実験の遅延はあるものの、これまで得られたデータ内容としては、おおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
患者由来の組織を用いての単分子シーケンスをあと2回施行予定である。これまで候補に挙げた分子を用いて当方ですでに持ち合わせている技術である破骨細胞誘導実験を行い、in vitroでの検証を現在開始したところである。破骨細胞誘導能をもつ新規分子の発見につながればそれをさらに深く検証し、そうでない場合も既知の分子が真珠腫においてどのように発現しているのかについての報告を行う予定である。 現在進行中のマウスモデルを用いてin vivoでの検証実験も予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で予定していた実験が施行できずにいるため、次年度に持ち越さざるを得ない状況である。
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