2021 Fiscal Year Annual Research Report
急性感音難聴の病態と治療における内耳免疫メカニズム-内耳遺伝子転写網の解析-
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19K09845
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 幸英 岡山大学, 大学病院, 講師 (00423327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
假谷 伸 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10274226)
菅谷 明子 岡山大学, 大学病院, 助教 (20600224)
高原 潤子 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (80448224)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 蝸牛 / 急性音響性障害 / 次世代シークエンサー / RNA-seq / DNAマイクロアレイ / リアルタイムRT-PCR / インフラマソーム / 長鎖非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には急性感音難聴発症12時間の内耳における炎症反応が、インフラマソームにより制御されていると仮定した。インフラマソームにかかわる84の遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRの実験で検討した。その結果14の遺伝子について変動を認めた(平均値で2倍以上または1/2以下への変動。n=3, p<0.05)。具体的には難聴を発症する内耳において、Ccl12、Ccl7、CxCl1、Ptgs2の発現増加と、Aim2、Il1b、Irf4m、Mefv、Naip1、Nlrp12、Nlrx1、Pycard、Tnfsf14の発現減少をみとめた。しかし発現量の増加を検出したのは上記4遺伝子にとどまり、難聴発症3時間後の検討でも、変動をみとめたのは上記の84遺伝子のうち、Ccl7のみであった。 また長鎖非コードRNAの発現については、DNAマイクロアレイの実験により、難聴発症後12時間の蝸牛組織と、難聴を発症していない蝸牛の両者で検出された長鎖非コードRNAは2285種類であった。これらの発現量データの、難聴発症12時間後とコントロールの間での相関係数は0.99と非常に高かった。したがって発現データ全体としては、再現性が高いと考えられた。これらのうち難聴発症12時間後に2倍以上または1/2以下への発現量変動をみとめたものは130種類で、検出された長鎖非コードRNAの5.69%であった。さらにこれらの長鎖非コードRNAのうち、データベース等に登録されており、RNA-seqの実験でもデータが一致した長鎖非コードRNAとして、8030423F21Rik、Gm5083(発現増加)、A630001G21Rik、Gm19299(発現低下)があった。現在のところ文献などで、これらと炎症・免疫機能との関係は示されておらず、今後も検討が必要である
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Research Products
(2 results)