2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K09864
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉本 寿史 金沢大学, 医学系, 准教授 (20547179)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | PAX2 |
Outline of Annual Research Achievements |
(最終年度の成果) PAX2およびKIF26bヘテロノックアウトマウスに対して耳毒性のある薬物を投与することで、内耳脆弱性の検証を生理機能および組織学の両面から試みた。 PAX2およびKIF26bヘテロノックアウトマウスを用いて、聴覚毒性薬物である Furosemide(FR, Sigma-Aldrich)およびcis-Diammineplatinum(II)dichloride(Cisplatin, CS, Sigma-Aldrich)を反復投与して、ABRと組織学的検査で聴覚への影響の確認を試みた。聴性脳幹反応(ABR)では聴覚閾値に有意差がなかった。組織化学的評価にて外有毛細胞の定量を試みたが、ノックアウトマウスとwild typeのマウスの聴覚への影響にが見出されなかった。 (研究期間全体の成果) 本研究はPAX2ヘテロ遺伝子異常を持った生体が、生下後どのような聴覚器異常を呈するのかを機能および形態の両面から解析し、同時にその脆弱性を分析することで聴覚器におけるPAX2の役割を解明するものである。当院の腎コロボーマ症候群の患者について確認したところ、 7例中3例において比較的若年であるにもかかわらず高音域の感音難聴を示した。そしてその3例ともPAX2のヘテロ遺伝子異常を有していた。これらの結果からPAXヘテロ遺伝子異常が高音域の感音難聴を引き起こす可能性のあることを明らかとした。しかし蝸牛の形態異常およびコルチ器の組織学的解析の両面から行う難聴の原因解明、耳毒性薬物を用いた内耳脆弱性の検証においては有意差を見いだせなかった。
|
Research Products
(2 results)