2020 Fiscal Year Research-status Report
Transcriptomic profiles of HC regeneration induced by YAP inhibitors
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19K09867
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
喜多 知子 (嶋知子) 京都大学, 医学研究科, 研究員 (20362519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 孝一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272)
中村 亮介 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40736708) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 蝸牛有毛細胞 / 再生 / YAPシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、当科で確立されている「Chicken蝸牛の器官培養モデル」において、ストレプトマイシン(アミノグリコシド抗生剤)障害後の有毛細胞再生過程でのYAPシグナルの役割に関する検討を中心に進めた。まず昨年度の結果から、本研究成果のポイントとなる「モデル評価法」について種々検討したところ、サンプルの種類にあった以下の着目点での評価を行うことが望ましいと考えられた。 1)免疫染色による細胞カウント:ホールマウント(Distalから40%)では、有毛細胞数の増減を知る最善法だが、綺麗な形状(歪んでいない)のサンプルであることが必要条件と考えられた(障害後の蓋膜除去は不要)。また凍結切片では、Neural側からAbneural側にかけての局在判定が正確に行えるが、DistalからPeriferalにかけて一定間隔の切片を含むスライド準備が必要であった。 2)In situ hybridization(ISH)染色:凍結切片でのRNAscopeが、従来型のDIGラベルに比べ、検出感度ならびに組織形態がより良かった。 3)EdU染色:通常量の1/10濃度であれば数日間添加でも再生細胞への影響はなかった。 4)qPCR:1)~3)を裏付けるデータになるが、5以上の遺伝子発現確認には、少なくとも10蝸牛の採取は必要であると考えられた。 また、再生過程における前駆細胞を含む各細胞種の新規マーカー(CD44、Agr3)について、染色による検討を行い、YAPの発現時期・細胞種の特定を試みた。これらの研究結果は、最終年度での評価において役立つものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
YAPシグナルがヒヨコの有毛細胞再生過程において、局所的・一時的に発現上昇することが確認できたが、その機序解明のため、ヒヨコ内耳の免疫染色およびISH染色において、条件設定に手間と経費を要した。そのため、評価法の確立を目的とし、試薬の追加購入における(後半期)前倒し請求をしたところ、予定通りの検討が可能となった。 再生過程におけるYAPシグナルの寄与も確認でき、概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、YAPシグナルのみによる有毛細胞再生の可能性は低いと考えられた。 よって最終年度では、Chickenの傷害・再生モデルにおける他の既知シグナルである「Notch、Wntシグナル」との増強効果の有無について、上記の評価法を用いて検討を進める。
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Causes of Carryover |
購入予定の物品の納期が間に合わず、そのため残額が生じた。4月以降早々に入手可能なため研究推進に支障はないと考える
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