2022 Fiscal Year Annual Research Report
Transcriptomic profiles of HC regeneration induced by YAP inhibitors
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19K09867
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
喜多 知子 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20362519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 孝一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272)
中村 亮介 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40736708) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 蝸牛有毛細胞 / 鳥類 / YAPシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ニワトリの蝸牛有毛細胞(HC)再生過程において、YAPシグナルの役割を明らかにすることである。具体的には、1) ニワトリまたはマウスの中・後期胚での蝸牛HC発生過程およびin vitro器官培養系HC再生モデルにおけるYAPの時空間的な発現パターンを調べ、2) 支持細胞(SC)の増殖・分化に作用する複数の既知シグナルについて、ニワトリin vitro器官培養系HC再生モデルでYAPシグナルとの関連性を調べた。評価法は、1) YAPおよびpYAPを用いた免疫染色、2) Sox2, Myosin7a, F-actin,EdU, YAPの免疫染色、の観察・カウントを主として行われた。結果、1)ニワトリ・マウスの蝸牛感覚上皮のYAP発現部位は、発生期がHC周辺細胞の細胞質のみであったのが、再生期にはSCの一部で核への局在が観察された。2) YAP、NotchやWnt等のシグナル修飾剤の添加により認められたSCの増殖・分化の増減と、YAPの核局在とに一定の関連性は見つからなかった。その理由として、評価対象が「sox2陽性のSC」と比較的広範囲である点が挙げられる。もしHC前駆細胞または体性幹細胞といった指標に基づくYAP局在がわかれば、本研究の目的達成に近づくと考えた。 そこで、ヒヨコ再生モデルのbulk RNAseqデータを再解析した結果、転写因子p53ファミリーのp63(tumor protein TP63)において、2種類のisoforms (dNとTA)の発現比率に時間的な変化が生じることを発見した。Single cell RNAseqデータ(PCA解析)でp63の発現パターンを調べた結果、HCならびにneural crest 由来細胞のクラスターであった。isoform特異的なp63の免疫染色によるYAP解析結果については、成果報告書で示す。
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