2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒトパピローマウイルス関連中咽頭癌の新しい免疫学的治療バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
19K09868
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武本 憲彦 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20636485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HPV関連中咽頭癌 / 細胞障害性T細胞 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
去年度までの治療が完遂されたHPV関連中咽頭癌16例に加えて新たに4例が解析対象として追加されたが、試薬供給の停滞のため2例は以前と同様に治療前、10Gy,20Gy、30Gy,40Gy,50Gy,60Gy,70Gyのポイントで血液検体からPBMCを採取しBispecific抗体を用いてCTL活性を測定したが、あとの2例は治療前と20Gyと40Gyと70Gyの4ポイントの測定になった。新規追加例のうち3例が寛解、1例が病変遺残を認めた。CTLの活性値は治療前をベースとし、最大活性値/ベース活性値が2以上が3例、1.5~2.0および1.0~1.5は認めず、1未満が1例であった。最大活性値/ベース活性値は寛解例は2以上で、遺残例が1未満であった。治療中の活性値のピークは20Gy時が2例、30Gy時が1例、40Gy時が1例、50Gy時以降は0例であった。治療後に最大になる症例は認めなかった。現在までの解析20例では最大活性値が20Gy~40Gyが17例/20例(85%)であり、50Gy以降で最大になった3例も70Gy時の値とほぼ同値であった。以上のことから解析ポイントは治療前、20Gy、40Gy、70Gyの4ポイント測定でも遜色のない解析と考えられた。試薬供給の状況にもよるが試薬供給が少ない場合は今後は解析ポイントを減らして新規症例の解析を続けていくことも考慮する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスパンデミックの問題で抗EphA2抗体と抗CD3抗体を結合した精製Bispecific抗体の購入元であるAmgen社から抗体の供給が2021年7月~11月供給再開となったが、再び供給が途絶えた。さらにHPV関連中咽頭癌の2つの大規模ランダム化第3相試験(ML Gillison et al. Lancet. 2019 Jan 5;393(10166)40-50、H Mehanna et al. Lancet. 2019 Jan 5;393(10166)51-60)がpublishされたため、化学放射線療法を選択希望される患者が多くなり、本試験対象の放射線単独療法症例が減少したことも大きな要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
適応症例がなくなったわけではないので試薬供給が再開された際は着実に対象症例数を増やして解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由)コロナパンデミックの影響で予定していた試薬購入が不可能であったため次年度延長を余儀なくされ、そのため使用額も次年度延長となった。 (使用計画)今後、試薬供給業者がコロナパンデミックの収束とともに輸入量制限を解除する見込みなので解析検体が増加することが予想されるので未使用額はその経費に充てたい。
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